医療情報サテライト

Vol.28 手のひらの多汗症とは? 第2回(全2回)

監修/黒川良望先生
手のひらの多汗症の治療(2)


~副作用の心配は?~
適切に行われたETS手術のあとは、手のひらの汗は確実に少なくなります。
それと同時に、多くの場合は腋の下や首の汗も少なくなりますし、場合によっては顔面や頭部の汗も少なくなります。
発汗は体温を下げる効果を持っているので、手術後に汗が少なくなって首や顔が暑く感じられるという人がかなりいます。

また、手術後に胸や胴や大腿部の汗が多くなったという人が30~70%います。
これを代償性発汗と呼んでいます。
代償性発汗の程度は個人差が大きく、どの程度の代償性発汗が出るかを手術前に予測することは不可能です。

しかし、起きている間はずーっと発汗している多汗症と違い、気温が高い時や運動時の発汗が多くなるだけなので、いろいろな工夫をすることで対応できるようです。

なお、手術後に手のひらがカサカサになって保湿液が欠かせないという人が多く、特に冬にはひび割れなどができることもあるようです。

このように手術後にもそれなりの悩みがある のですが、手術の前と後を比べてどちらの状態がよいかとお聞きすると、95%以上の方は手術後と答えられます。

これが、手のひらの多汗症の治療としてETSが推奨されている大きな理由のひとつです。


~費用について~
保険適応になっている手術ですので、3割負担で18万円から20万円程度です。


手のひらの多汗症とは?
第1回
第2回
手のひらの多汗症の治療(1)
手のひらの多汗症の治療(2)
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