医療情報サテライト

Vol.26 緑内障とは? 第2回(全2回)

監修/井上治郎先生
緑内障の検査法・症状


~緑内障の発見に有効な検査法は?~
眼底検査緑内障の検診で重要なのは眼の一番奥にある眼底(網膜・視神経・ぶどう膜)を見る検査です。

緑内障の検査イクオール眼圧検査だった時代もありましたが、わが国では正常眼圧緑内障が多いので、眼圧検査だけでは患者さんの一部しか発見できません。
これに対して眼底検査と視野検査は正常眼圧緑内障の早期発見率が高く、緑内障全体で見ても、その90~95%をこの2つの検査で発見することができます。
とりわけ眼底検査は比較的簡単に受けることができるので、今では非常に重要な検査法になっています。

~発病するとどんな症状が現れますか?~
日本人の緑内障の大部分を占める開放隅角緑内障の場合、初期はまったく自覚症状がありません。
その後も、長い時間をかけて少しずつ進行していき、その過程で頭痛や眼精疲労といった症状が現れることがありますが、緑内障と結びつけて考える人はあまりいません。
ちょうど老眼が現れる時期なので、ほとんどの人が老眼と考えてしまいます。
しかし、この時期には視神経の機能低下が起こり、視野の異常が次第に進行していきます。

視野狭窄の実際特に中心部に近いところに見えない部分が出てきます。
これがさらに進行すると見えない範囲が広がるとともに、内側(鼻側)の上部から次第に視野が狭くなっていきます。
たとえば、文字の一部が欠けて見えたり、テレビの画面で見えない部分が出てきたりします。
そして、この視野狭窄が進んできて中央にまで及ぶと、視力が低下し、末期にはまったく視力がなくなります。
原発閉塞隅角緑内障も自覚症状はありません。
しかし、何かのきっかけで隅角の閉塞が進むと、眼圧が急激に上昇し、発作を起こします。
目の痛みや目のかすみのほか、頭痛、嘔吐などの症状が出て、結膜が充血し、角膜に浮腫や混濁が生じ、瞳孔が散大していきます。
このとき緑内障が原因であることを知らないと、頭痛や吐き気があることから内科や脳外科を受診し、眼科での受診が遅れることがあります。
その結果、手遅れになって失明することもあります。


緑内障とは?
第1回
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緑内障の検査法・症状
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