医療情報サテライト

Vol.25 緑内障とは? 第1回(全2回)

監修/井上治郎先生
緑内障とはどのような病気なのでしょうか?


~緑内障とは?~
少し前までは、眼圧、つまり眼球内部の圧力によって視神経が圧迫されて障害を起こす病気と言われていましたが、これでは緑内障の定義として十分ではありません。
なぜなら、眼圧が正常なのに視神経が障害を起こす緑内障があることが分かってきたからです。
しかも日本人にはこの正常眼圧緑内障が一番多いんです。
そこで現在は、「視神経乳頭変化およびそれに対応する緑内障性視野障害を認める病気」と定義されています。
緑内障は、いったん悪くなったら元に戻らず、決定的な治療法がないため、眼の病気の中で最も恐ろしい病気と言われています。

~中高年に多いそうですね~
40代以上の人に多く、年を重ねるにつれて増えていきます。
推計ですが、40歳以上の緑内障患者数は300万人以上になります。
また、かつて厚生省が中途失明者の失明原因を調べたデータによると、緑内障は全体の12.8%で、糖尿病網膜症(17.8%)に次いで失明原因の第2位になっています。


緑内障とは?
緑内障とはどのような病気なのでしょうか?
緑内障にはどのような種類があるのでしょうか?
井上治郎先生プロフィール

井上 治郎(いのうえ じろう)先生プロフィール
井上 治郎(いのうえ じろう) 井上 治郎(いのうえ じろう)
医療法人社団済安堂
井上眼科病院 理事長
医学博士
眼科専門医
東京都社会保険診療報酬支払基金 審査委員

【略歴】
東京大学医学部卒業
文部教官助手(東大病院眼科勤務)
大蔵技官(大蔵省本省診療所勤務)
米国シカゴ大学眼科研究所 講師
帝京大学医学部眼科 助教授
日本眼科医会 常任理事
東京都眼科医会 会長
日本眼科医会 副会長

学会・医会など、数々の要職を歴任し、現在は理事長職に専心し、医療法人済安堂の育成に努めている。