通常、病気の診断や精査、治療のために行う場合は、健康保険が適応されます。一方、保険の適応がないのは、自ら進んで検査を希望される健康診断や人間ドックなどの場合です。
検査費用は、前投薬の内容、生検による病理診断の有無、処置の有無などで大きく異なります。胃の検査の場合、3割の自己負担では5000円から10000円程度はかかることが多いとお考えください。大腸の検査でも、病理診断の有無、ポリープ切除の有無で大きく異なります。3割の自己負担では10000円から30000円程度でしょう。
初診の方は、内視鏡を行う施設の外来を受診されるようお勧めいたします。担当医が問診、診察を行い、検査の適応を判断し、時期を含めた配慮の上で、予約をお取りするのが一般的です。内服中の薬がある方は、その内容がわかるようにして、受診してください。
なお緊急の場合外来にて必要性がありと判断された場合には、多くの施設で当日に「緊急検査」として内視鏡を行うこともありますが、検査の緊急度やメリットとリスクなどを考慮した上で、実施の適否が判断されると思います。
検診の目的などでも、外来受診して相談していただいたほうが確実で、施設によっては予め受診することを原則としていることもあります。これは、患者さまの状態を確認し、検査に支障となる内服薬の有無を確認し、検査前日の食事の注意などを行い、検査の説明と同意を得ることを目的としていることが多いためです。
また、検診で異常を指摘されて内視鏡をされる場合は、かならず、異常の内容(内視鏡の精密検査が必要とされた理由やレントゲン所見など)がわかるようにして受診してください。検査医に検査の目的を明確に伝え、必要なことをなるべく一度で済ませるために、注意していただいた方がよいと思います。
通常、胃(上部消化管)の検査の場合は平均的には5分程度が内視鏡を挿入されている時間です。その前に問診や前処置があり、また結果の説明も当日わかる範囲でしておりますので、さらに10-15分程度はかかるとお考えください。また、鎮静剤を使用した場合には、検査後1時間以上お休みいただく場合があります。
大腸の内視鏡検査は、大腸全部を観察することを原則としておりますので、検査時間としては通常15-30分程度かかるとお考えください。挿入が困難な方やポリープ切除などの処置の多い方では、それ以上時間がかかることもあります。
挿入の難易度は患者さま毎に異なりますが、全体を観察できないことは1%以下です。ポリープ切除を当日行った場合には、1-2泊の入院が望ましい場合があります。
なお、検査をやりやすくするため、病変が見づらくならないように、大腸内がきれいになっていた方が望ましく、前処置に時間をかけていただいております。
胃(上部消化管)の検査の場合は当日の朝食は召し上がらずに受診してください。胃に食べ物が残っていると粘膜の観察が十分できません。大腸の検査の場合には、検査前に腸内に残渣が多いと、前処置に手間がかかりますので、前日は消化のよいものをおとりになり、水分は十分とっておかれることをお勧めします。
通常、検査後の食事制限はほとんどありませんが、検査や処置の内容によっては、注意がございます。検査後、ご帰宅前に看護師の説明をおうけください。
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