ネットセキュリティ 2023年08月04日

SIMスワップ詐欺の対策

▼ SIMスワップ詐欺とは何か

「SIMスワップ詐欺」とは、不正に複製されたSIMカードでスマートフォンの契約者になりすます犯罪。
「SIMハイジャック」と呼ばれることもあります。
海外では以前から横行していた手口ですが、国内でも被害が報告されています。

SIMスワップ詐欺に巻き込まれると、スマートフォン所有者の権利がまるごと奪われかねません。
スマートフォンが使えなくなってしまうばかりか、不正決済による金銭被害、SNSのアカウント乗っ取りなど、いくつもの犯罪に同時に巻き込まれる可能性があります。
「わずか15分で銀行口座から預金が流出した」という報道もありました。

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▼ SIMスワップ詐欺の兆候
SIMとは、Subscriber Identity Moduleの頭文字を略したもので、小型のカード型であることから「SIMカード」と呼ばれています。
SIMには契約者の識別番号、電話番号、メールアドレスなどが記録されており、SIMカードをスマートフォンやタブレットなどに挿入することで、電話やデータ通信(インターネットやメールなど)が行えます。
したがって、SIMカードをひとたび奪われれば被害は甚大です。

「電話がつながらなくなった」
「電波が入らない」

急にこのような現象が起きたときは、SIMスワップ詐欺の可能性があります。
スマートフォンの不調と判断して様子見をするのは危険です。
すぐに携帯キャリアに連絡を取って状況を確認してください。

▼ SIMスワップ詐欺の手口
SIMカードは、携帯キャリアショップで所有者本人が申し出れば再発行できます。
これを悪用してSIMカードを入手するのがSIMスワップ詐欺の代表的な手口です。

SIMスワップ詐欺は、まず事前に所有者の情報収集をはじめます。
本人になりすますための準備を周到に行うのです。

あらゆる手段でターゲットの情報を集めています。
メールで偽サイトに誘導するフィッシングや、SMSを使ったスミッシング、自動音声応答システムを使った偽アンケートなどの手口も多用されているようです。
このほか、SNSやブログなどで本人が公開した断片的な情報をかき集めるなど、徹底的にターゲットを調べてから犯行に及びます。

再発行に必要な情報を集約し「スマホを失くした」などと嘘をついて、SIMカードを再発行させるのです。
SIMスワップ詐欺によりSIMカードが再発行されるともとのスマートフォンのSIMカードはもう使えません。「スマートフォンが突然使えなくなる」という現象が起きるのはこのためです。

SIMカードを不正に入手したあとは、金融機関の口座から自らの口座への送金を試みます。その際に本人確認として、携帯電話に認証コードが送られてきますが、不正入手したSIMカードへ通知が届くため、なんの苦労もなく、口座への送金を完了できてしまうのです。
ほかにもSNSに悪意のある投稿をするなどして、本人や他人の名誉を傷つけるといった行為が行われる可能性もあります。

▼ SIMスワップ詐欺の被害にあわないために
個人を特定するための情報を不正に入手することこそSIMスワップ詐欺の前段階とも言えます。
フィッシングやスミッシングなど、不正に情報を入手する手口が巧妙化しており、今後も悪質さは増すでしょう。
スマホユーザーとしてのリテラシーを高め、自分の情報を守る意識を強く持つことが求められます。

<フィッシングやスミッシングを見極めるポイント>
・知っている企業名のメッセージでも、送信元のアドレスが本物かどうかを確認
・メッセージの文章が日本語として不自然なところがないか確認
・メールやSMSに記載されたURLはタップせず、ブラウザから公式サイトを開いて真偽を確認
・メッセージの文章をコピー&ペーストして検索。詐欺の注意喚起がされている場合も

フィッシングやスミッシングのメッセージからリンク先を開いてしまっても個人の情報を入力しなければ重要な情報を搾取される可能性は少ないと言えます。
安易に個人の情報を入力しないようにしてください。

個人の情報を不正に入手する方法として電話を使ったものがあります。
電話口で第三者に個人の情報を伝えないよう注意してください。

SIMスワップ詐欺のために個人の情報を狙うものがいます。
誰もが狙われる可能性があること自覚しましょう。


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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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