防犯 2023年11月17日

年末に増える「特殊詐欺」の対策

▼ 12月は特殊詐欺の認知件数が最多
12月に増える犯罪として「特殊詐欺」があげられます。
特殊詐欺の認知件数は、12月がピーク。

慌ただしさからすきが生じやすいのかもしれません。

特殊詐欺とは、被害者に電話をかけるなどして対面せずにだまし、現金を盗み取るものです。
オレオレ詐欺の名で広く知られていますが、ほかにも還付金詐欺架空料金請求詐欺融資保証金詐欺など特殊詐欺の手口はたくさん存在します。

相手をだますための新しい手口が次々と登場しており、警察からその手口に関する注意喚起がなされるころにはすでにかなりの被害者が出ている状態です。

年末の切迫感から対応を急ぎ、特殊詐欺の被害者になってしまう可能性もあります。
お金の移動を要する誘いかけには、十分注意してください。

特殊詐欺の認知件数と被害金額(2022年 警察庁)

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▼ よくある特殊詐欺の手口
オレオレ詐欺をはじめとした特殊詐欺の被害は社会問題化しており、被害状況は、しばしばテレビや新聞でも報道されます。
被害が報じられても、多くの人が「だまされるわけがない」と思いがちです。
実際、被害にあった人のほとんどが「自分はひっかからない」と思っていたそう。

特殊詐欺の手口はさまざまで、その多くは緊迫感をあおって、被害者に考える時間を与えません。
年末は特に心理的にだまされやすいことを覚えておいてください。

【こんなセリフが特殊詐欺】
家族をよそおって・・・
・「会社のお金を株に使い込んだ。すぐに穴埋めしないとクビになってしまう」
・「不倫相手を妊娠させた。示談金が必要」
・「トラブルに巻き込まれて大変なことになっている。お金を用意しないと殺されるかもしれない」

公的機関や金融機関をよそおって・・・
・「医療費の還付金を振り込みますので、銀行のATMに行ってください。その場で電話を折り返してくれたら操作方法を教えます」
・「○○銀行ですが、キャッシュカードに不具合があったので交換します。職員がキャッシュカードを回収しに伺います。暗証番号を教えてください」
・「最初に保証金を振り込めば低金利でまとまった融資が受けられます。保証金は返還されるので損はしません」


▼ 特殊詐欺の被害者にならないための対策
特殊詐欺の被害を防ぐには、泥棒対策と一緒でまず侵入させないことが肝心。
侵入手口である電話に出てしまったら、だまされる可能性のほうが高いと考えてください。

●電話には出ない
特殊詐欺は自宅の固定電話にかかってくるケースが多いです。
電話に出なければだまされることもありません。
ナンバーディスプレイのサービスを利用し、知らない番号からの着信には出ないことを徹底してください。

●留守番電話を設定する
少ないコール回数やコールなしで留守番電話になるよう設定して、直接電話には出ないようにしましょう。
個人情報を聞き出す目的で自動音声のアンケートを悪用するケースも確認されています。
素性のわからない電話には一切答えないくらいの警戒心が必要です。
年末年始など帰省した際に、親御さんやおじいちゃん・おばあちゃんの家の留守番電話を設定してあげましょう。

●特殊詐欺対策機器を利用する
着信時に特殊詐欺を撃退する音声を流したり、通話を録音したりする機能などがついた特殊詐欺対策機器を固定電話に接続することをおすすめします。
高齢者向けに貸し出しサービスをおこなっている自治体も。
この機器を使ってから迷惑電話が減ったという統計データもあり、一定の効果が期待できます。

▼ 特殊詐欺の被害者が増えているということの意味
2022年の特殊詐欺の認知件数は1万7,570件。被害総額は370億円を大きく超えています。
2021年と比べて、認知件数も被害総額も増加しました。
2020年以降で見ても増加傾向であることがわかっています。

特殊詐欺犯はあらゆる返答パターンに対応できるようシミュレーションを繰り返しているものです。
非常に巧妙に誘導されます。
これだけ多くの被害が報じられ、注意喚起がされていても被害者が増えるのは、特殊詐欺の手口が巧妙であることのあらわれ。

身内が被害者になると「なぜこんな手口にひっかかったのか?」と思うことがあるようです。
でも悪いのは「だました人」。決して「だまされた人」は悪くありません。

憎むべきは、親心や良心を悪用した卑劣な手口を用いる犯人です。
親子同士でこまめに連絡を取りあい、話しやすい関係性を維持することも特殊詐欺対策になります。


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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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