防犯 2022年09月09日

無差別殺傷事件から逃れるために

▼ 無差別殺傷、通り魔的犯行が増えている?

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凶器を使って不特定の人を殺傷する通り魔的な犯行は毎年、複数件発生しています。
2008年6月に発生した秋葉原通り魔殺傷事件は社会に大きな衝撃を与えました。

ほかにも2019年に起きたスクールバスを待つ児童らが刃物で襲われた事犯や、2021年に起きた電車内で乗客が無差別に切り付けられる事犯など、記憶に新しいところです。

警察庁によると、2002~2020年に発生した通り魔殺傷事件の認知件数は平均6.74件/年。

発生件数は年によって差があり、この期間内で最も少なかった年は3件。
しかし秋葉原通り魔殺傷事件があった2008年は14件でした。
衝撃的な事件が発生したときは、類似事件が起きる可能性があることを示唆しているようです。

社会的なインパクトが大きく、繰り返し報じられるような大きな事件が起きたあとは、類似の犯行が繰り返される可能性があることを肝に銘じておくべきでしょう。
決してひとごとではなく、無差別殺傷事件は誰の身にも起こりうることなのです。

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▼通り魔事件を回避する防犯行動
通りすがりの人に無差別に危害を加える通り魔
凶行から逃れるためには、いち早く危険を察知することが重要です。
以下のような防犯行動を日ごろから心がけてください。

・「ながら」歩きをしない
・不審者、不審物には近づかない
・「やじ馬」にならない

スマートフォンを見ながら、音楽を聴きながらなどの「ながら」歩きは、周囲の異変に気づきにくくなります。「ながら」歩きは絶対に行わず、視界を広く保って周囲をみわたし、不審者、不審物に気づいたら距離を取るようにしてください。「気がかりだな」くらいの状況から防犯行動を取るのがとても重要です。取り越し苦労くらいがちょうど良いのではないでしょうか?

もし悲鳴やざわめき、爆発音などの大きな音が聞こえたら、何が起きているかを確かめるのではなく、なるべく騒ぎが起きている場所から離れましょう。
昨今の風潮では、異変をスマートフォンなどで動画撮影したり、写真を撮ってSNSで投稿したりする行為が見られます。
自分が被害者にならない保証はどこにもありません。安全な場所まで移動することが優先です。

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▼ 無差別殺傷への対処は「Lie,Run,Hide」
通り魔に遭遇することを事前に予測するのは困難ですが、いざというときの対処を知っておくことで被害を最小限にすることは可能です。

参考にしたいのは、通り魔と同じく、居合わせた人を無差別に殺傷するテロ事件への対処法。
外務省が公開しているテロ遭遇時の行動原則「Lie(伏せる)、Run(逃げる)、Hide(隠れる)」を覚えておきましょう。

・Lie(伏せる)
銃声や爆発音を聞いたら、その場で伏せる。
周囲の状況を確認して、「逃げる」のか「隠れる」のかを判断する。

・Run(逃げる)
脱出ルートがあれば、避難する。
安全が確保された時点で警察に通報する。

・Hide(隠れる)
犯人から見えない場所に隠れる。
ドアをロックする、バリケードをつくるなどして侵入を防ぐ。
携帯電話などは音が鳴らないようにしておく。

刃物などでの凶行の場合、「伏せる」より「逃げる」を優先するべきです。
加害者の標的にされないよう、加害者の進行方向ではない、視界に入りにくい方向に逃げることを意識すると良いでしょう。
「隠れる」も、標的にされないために重要です。
閉鎖空間で避難ルートが確保できない場合、身を隠せる場所を探す、なるべく目立たないように音を立てずに行動するなどを心がけること。

通り魔的な犯行に遭遇したときは、とっさの判断が求められます。
「自分も被害者になるかもしれない」という意識を持ち、万が一の事態に備えてください。


* * * * * * * * *


<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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