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人は、不安を感じる状況に至らない場合は、特に安心を意識することはないので、不安のほうが先にある概念だと言えます。
不安の正体を明らかにすることは、逆説的に安心の正体を明らかにすることにつながります。両者は表裏の関係にあるのです。安心とは、「不安や心配のない(少ない)心の状態」と説明できます。それでは、あらためて「不安」とはどういう心理状態のことを言うのでしょうか?
結論から言うと、不安とは「ある財産の価値が失われる、損なわれるのではないかという気持ち」のことであると言えます。「気持ち」ですから主観的なものです。個人の場合、「財産」とは、例えば、生命、肉体、健康、家族、友人、お金、家、記憶、思い出、名誉、可能性など、有形無形を含む広い意味での財産のことであり、文化的背景、生活環境、時代背景、思想的背景などでその価値が決まってきます。
財産があるところに、必ずそれを喪失する可能性であるリスクが客観的に存在します。そのリスクを認知して始めて主観的に「不安」を感じるのです。そしてその不安が、「ない」もしくは「少ない」という感覚があるときに、人は「安心」であると思います。したがって「安心」を考えるためには、自分が大切に思っているもの、すなわち、広い意味での財産を棚卸しして整理する必要があると言えます。
財産とは、先にあげたようなもので、皆さんが「大切だ」、「守るべきだ」と感じているもののことです。大切で守るべきだと感じているものが明らかになると、その守るべきものに影響を与えるリスク、すなわち脅威が想定できるようになります。そして、この段階になって、はじめてその脅威に対し、対抗手段を講じることができるようになるのです。そして、これらの対策が有効に機能していると感じ、「何があっても大丈夫である」と信じているとき、人は「安心である」と思うのです。
皆さんは、日々生活するうえで、ご自身の「大切なもの」、「守るべきもの」をはっきりと意識していますでしょうか? これを明らかにすることが、本当の意味で「安心」した日々の生活への第一歩となるのです。
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利 康文
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