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セキュリティでは「ストーリーの完結」が重要

 本年も3月3日から6日までの4日間、東京・有明の東京ビッグサイトで、セキュリティに関する新しい技術や商品を世に紹介するイベントである「セキュリティショー」が開催されました。セコムも「社会システム産業20周年」をテーマに出展し、現在の社会的な不安やリスクに対し、いろいろな観点からそれを防ぐ
サービスや商品、そして技術の展示を行いました。

 本コラムでは、人が不安を感じたとき、できることは「事態そのものを起きにくくする対策」「被害の拡大を防ぎ、最悪の状況に至らないようにする対策」「金銭的な窮地に陥らない対策」の3つしかない旨について述べてきました。

 この観点から今回の「セキュリティショー」を概観すると、展示の大部分は、カメラやセンサーなどの「被害の拡大を防ぎ、最悪の状況に至らないようにする対策」を発動するための、「被害の発生を検知し状況を把握する」ための商品、そして出入管理やカギ周りのシステムなどの「事態そのものを起きにくくする対策」商品が中心であったといえます。
 また、損害保険などの「金銭的な窮地に陥らない対策」と「被害の拡大を防ぎ、最悪の状況に至らないようにする対策」そのものに関して、多少なりとも提案・紹介している企業は、セコムを含めごくわずかであった点も注目すべき点かと思います。

 いざというときの「金銭的な窮地に陥らない対策」は、金銭的対策であるため置いておくとしても、セキュリティや安心についての対策を考えた場合、物理的な対策や具体的アクションの観点からは「そもそもことを起こさないようにする」ことが重要かつ効果的であるのは誰も否定しないでしょう。例えば、「守りをアピールして不審者を寄せ付けない」、地震に対しては「家具を固定する」、子どもの連れ去りなどに対しては「送迎をする」というのがそれに当たります。

 一方、「被害の拡大を防ぎ、最悪の状況に至らないようにする対策」についてはどうかと言うと、今の世の中、その前段階として必要な「被害の発生を検知し状況を把握する」技術の開発や商品の販売に重きがおかれているのは、セキュリティショーを見ても明らかです。社会全体を見渡しても、実際の「被害の拡大を防ぎ、最悪の状況に至らないようにする対策」そのものを提案し世に提供している会社は、セコムを始めとして少数しか存在しません。

「いざという時、ストーリーが完結するか」、セキュリティを考える上においては、この点を十分に注意することが必要です。「無人の自宅でセンサーが異常を感知したそのあとのストーリー」、「カメラが倒れた人を発見したそのあとのストーリー」、「子どもがいつもと違うところにいることが判ったそのあとのストーリー」ということです。セキュリティに関連する産業界全体で「被害の拡大を防ぎ、最悪の状況に至らないようにする対策」そのものをどうするかについて、活発な議論が必要になってきているかと思います。

セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利 康文

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