ネットセキュリティ 2023年09月06日

第386回 不正アクセスを防ぐ「パスワード」の設定方法

SNS、ネット通販、動画配信サービス、ネットバンキングなど、インターネットサービスには、ID/パスワードが不可欠です。
パスワードが盗まれ、不正アクセスされれば、金銭的な被害ばかりか犯罪の加害者になってしまう可能性もあります。
不正アクセスの被害を防ぐためには、「パスワード設定」が重要です。
防犯性の高いパスワード設定のコツをまとめます。

パスワードの使い回しは不正アクセスのもと

「パスワードをいくつも覚えるのは大変だから」と同じパスワードを使い回していませんか。
パスワード流出によって不正アクセスされれば、さまざまな被害が連鎖的に発生する可能性があります。

【不正アクセスによる被害例】
・SNSアカウントが乗っ取られてアクセスできない
・乗っ取られたSNSのアカウントから悪質な投稿を繰り返される
・ネットショッピングで勝手に買い物をされ、クレジットカードの請求が届く
・インターネットバンキングで不正送金される
・ウェブメールが乗っ取られ、スパムメールや迷惑メールの発信者にされる

不正アクセスされた場合の被害は、金銭だけにとどまりません。
あなたの名前で犯罪行為がおこなわれたら、加害者の立場になってしまう可能性があります。

不正アクセスの被害を最小限にするためにも、複数のサービスで同じパスワードを使い回すことはやめましょう。

不正アクセスを防ぐパスワードとは

不正アクセスを防ぐためには、第三者に推測されにくく、機械的な処理では割り出しにくいパスワードを設定することが重要です。

【注意!安易なパスワードの例】
□ 名前や誕生日など個人情報の一部を利用している
□ 同じ文字の繰り返し使っている(1111、aaaなど)
□ 数字や英文字が類推しやすい安易な並びになっている(abcd、123など)
□ 一般的な英単語を使用している(password、Angelなど)
□ 単純な英単語の一部を置き換えた文字列になっている(P@ssw0rdなど)

【盗まれにくいパスワードの例】
□ 英文字の大文字・小文字、数字、記号が混在している
□ 12文字以上の文字列になっている(長いほど解読の難易度が向上する)
□ 意味のない文字列をランダムに羅列している

他人に悪用されない安全なパスワードの管理方法

パスワードは他人に知られないよう正しく取り扱うことが肝心です。

【パスワード管理のポイント】
□ パスワードを他人に教えない
□ パスワードのメモをPCのディスプレイなど他人の目に付く場所に貼らない
□ パスワードを電子メールやSNSのダイレクトメッセージなどでやり取りしない
□ インターネットのブラウザにパスワードを記憶させない
□ 二段階認証や多要素認証の機能がある場合は利用する
□ 手書きでパスワードを記録する場合は市販の「パスワードノート」を活用する
□ パスワード管理アプリを利用する場合は、アプリそのものの安全性を確認する

パスワード管理は、スマートフォンのメモ機能などより、自宅に手書きで保管したほうが安全という考え方もあります。
ただし手書きの記録も「盗まれない」ための対策が必要。
鍵のかかる机や金庫に保管し、廃棄するときはシュレッダーなどで確実に処分しましょう。

パスワードの定期的な変更は必要?

かつて安全対策として推奨されていた「パスワードの定期的な変更」ですが、昨今は「定期的な変更は不要」という考え方が主流です。

「定期的なパスワード変更」を繰り返すと忘れないためにパスワードがパターン化したり、簡単なパスワードを設定したりしてしまいがち。
近年はパスワードのパターン分析も高度に進歩しているので、予測しやすいパスワードはかえってセキュリティ上のリスクを高めてしまいます。

「定期的に変更する」よりも、「盗まれにくい強固なパスワードを設定する」を優先しましょう。

パスワード流出?不正アクセスが発覚したときの対応

利用しているサービスで不正アクセスが疑われるできごとがあったときは、迅速な対応が必須。
様子見していると、どんどん被害が拡大してしまう可能性があります。
すぐに手を打ちましょう。

【不正アクセスが疑われるときの対処方法】
□ すぐにパスワードを変更する
※末尾だけの変更、数字や文字の一部入れ替え(1の部分を2にするなど)はNG。完全に異なるパスワードに設定しなおしましょう!
□ 銀行、クレジットカード会社、サイト管理者、家族に報告する
□ 被害があった場合は最寄りの警察や専用の相談窓口に連絡する
※相談窓口
消費者ホットライン188
警察本部サイバー犯罪相談窓口

* * * * * * * * *

不正アクセス行為の認知件数は増加傾向にあります。
不正アクセスのきっかけなる可能性が高いのが「パスワードの流出」です。

悪意ある第三者にとって、あなたのパスワードはとても価値があるもの。
狙われていることを忘れないでくださいね。

自分のパスワードが流出していないか気になるときは、検索できるサイトもあります。
気になる方はチェックしてみてください。

【あわせて読みたい!関連コラム】
第382回 スキミング被害にあわないためのセキュリティ対策
第372回 引っ越しの要注意!ごみからの個人情報流出をふせぐため
第299回 スマートフォンを手放せない女性必見!スマホ設定とパスワードの安全対策

SNSシェア
関連するカテゴリーを見る
スマホの安全
個人情報保護