ネットセキュリティ 2023年07月05日

第382回 スキミング被害にあわないためのセキュリティ対策

キャッシュレス決済ができるお店がどんどん増えてきています。現金を持ち歩かなくても支払いができるので、荷物をコンパクトにしたい女性にとっても便利ですね。
そんなキャッシュレス決済の手段のひとつである「クレジットカード」。
最近、クレジットカードを狙ったスキミングという犯罪の被害が増加中です。カードを盗まれたり、なくしたりしていなくても、被害にあうスキミングの手口と対策をまとめます。

2023.7.5更新

被害が発覚しにくい「スキミング」の手口

スキミングとは、クレジットカードから不正に情報を抜き取る犯罪です。
特殊な装置でクレジットカードの磁気ストライプに記録されている情報を読み取り、同じ情報を持つ「偽造カード(クローンカード)」を作成したり、カードそのものを精巧に偽造して複製をつくったりして不正に利用します。その手口は悪質で巧妙です。
カード決済に利用するだけではなく、ATMのキャッシング機能を利用して不正に現金を引き出されるケースもあります。

カードから情報だけを盗み出すため、すぐに被害に気づかないのもスキミングの特徴
「カード明細や請求書を見るまで不正利用されていると気づかなかった」という声が多く聞かれます。

スキミング被害はクレジットカードだけではありません。
銀行のキャッシュカードやデビットカードなどでもスキミング被害が確認されていますし、タッチ決済機能を搭載したクレジットカードや交通系ICカードなどの「非接触型カード」もスキミング被害にあう可能性があります。

知らないうちにカード情報を盗まれる?

カード情報を盗むために用いられるのは、「スキマー」という装置です。
ほとんど目立たないため、店舗に設置されているカード決済用機器やATMのカード差込口などに仕掛けられていてもわからないほど。

カードに記録されたデータを不正入手するだけでなく、スキマーに加えて小型の隠しカメラを設置して入力した暗証番号を盗撮する手口もあります。
カード情報と暗証番号までも盗まれる可能があるのです。

<スキミングされるのはこんなとき・こんな場所>
・ゴルフ場やスーパー銭湯などの貴重品ボックスからキャッシュカードが抜き取られ、スキミングされる
・店員や警察官になりすまして、本人の目の前でスキミングする
・コンビニのATMに細工されたスキマーと小型カメラで盗撮。カード情報と暗証番号を盗む
・鍵つきロッカーを開けられて、カード情報をスキミングされる
・空き巣や車上荒らしなどの被害にあい、カード情報をスキミングされる

スキミング被害を防ぐセキュリティ対策

スキミング被害にあわないためには、カードそのものと、カード情報を守る意識を持つことが大切です。

(1)ICチップ搭載のカードを利用する
「磁気タイプ」のクレジットカードはスキマーで読み取りが可能です。
情報が暗号化されている「ICチップ搭載」のクレジットカードを選ぶと良いでしょう。

(2)スキミング防止グッズを利用する
交通系ICカードなどの非接触型カードは、カードに触れなくてもスキミングされる可能性があります。スキミング防止加工の財布やカードケースなどを利用するのがおすすめです。

(3)カードを常に携帯する
カードが入ったバッグやカードケースは、ロッカーに預けたり、他人に渡したりしたりせず、肌身離さず持ち歩くようにしましょう。

(4)推測されにくい暗証番号を設定する
スキミングされたとき被害を増大させないためには、暗証番号を人に知られないことが肝心。
車のナンバーや電話番号の一部など推測しやすい番号は避けてください。
暗証番号を用いた不正利用は補償範囲外としているカード会社もありますので注意しましょう。

(5)暗証番号入力時に手元を隠す
隠しカメラで暗証番号を入力しているところを盗撮される可能性を忘れないようにしましょう。
入力するときは手で覆うようにする習慣をつけましょう。

(6)盗難補償をつける
スキミング被害が増えている現状を考え、盗難補償つきのカードを選ぶことも選択肢です。
盗難補償が付帯したクレジットカードなら、スキミングの被害にあった場合も全額補償してもらえる可能性があります。

スキミング被害が発覚したときの対処方法

なるべく早く、クレジットカード会社に連絡をすることが重要です。
スキミング被害にあった場合の対応や補償期間は、カード会社によって異なりますので、一刻も早く今後の対応を確認しましょう。

請求書が届いたらすぐに確認するのはもちろん、オンラインで利用明細をこまめに確認することも大切。スキミングは被害が発覚しにくい犯罪であることを意識して、利用状況をよく見ましょう。

カードそのものが盗難、紛失している場合は、カード会社への連絡とともに、警察への届け出も忘れないようにしてください。

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財布のなかにあるさまざまなカード。
磁気ストライプのついたカードなら、どれもスキミング被害のリスクがあるということを覚えておきましょう

カードの管理に問題があった場合、スキミング被害にあっても補償されないケースもあるようです。
たとえば、暗証番号が安易だった場合、カードを他人に貸していた場合、カード裏面に署名欄があるにもかかわらず署名していなかった場合など。
自分が持っているカード類の契約内容をきちんと把握し、取り扱いや管理には十分注意を払うようにしてくださいね。

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