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大きく分けると、自分や周りがグルグル回っている感じの「回転性めまい」、体がフワフワした感じ、雲の上を歩いているような感じの「浮動性めまい」、立ち上がるとクラッとし、時に目の前が暗くなる「立ちくらみ様めまい」の三つに分けられます。
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「回転性めまい」の多くは耳(内耳)の異常が原因で起こります。「浮動性めまい」の多くは脳の異常が原因で起こります。「立ちくらみ様めまい」の多くは、起立性低血圧など血圧の変動や、循環系の異常が原因で起こります。ただ、それが原因のすべてではありません。「回転性めまい」は脳出血や脳梗塞など脳の異常でも起こることがあります。「浮動性めまい」は耳の異常でも起こることがあります。
このほか、更年期障害やストレスが原因で起こることもあります。
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まず、患者さんに、「どういうめまいか」「ほかに症状はないか」「何をしているときに起きるか」など、 問診をします。それで8割方は診断がつきます。耳以外の脳や心臓などの異常が疑われる場合は、CTやMRIを撮り、その結果によって脳外科や循環器科を受診していただきます。患者さんの中には、「めまい=脳の異常」と思われている方がいますが、私の診断経験ではそれは1~2割で、残りの半分は耳の異常が原因です。
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[メニエール病]激しい回転性めまいで、片方の耳が難聴になったり、耳鳴りがしたり、耳が詰まった感じがします。
[良性発作性頭位めまい症]頭を動かしたとき、たとえばベッドから起き上がったときにグルグル目が回る病気で、じっとしていると収まりますが、少しでも頭を動かすと目が回ります。女子サッカーの澤穂希選手のめまいもこの病気で、ヘディングを繰り返すことによって、体のバランスを保つ働きをする内耳が故障したのではないかと思います。この病気は耳のめまいの中で最も多く、患者さんの20~40%を占めると言われています。
[前庭神経炎]激しい回転性めまいで、2~3日ずっと目が回り、そのあと1週間は歩行困難になります。半年経ってもフラフラする人もいます。
そのほか、突然、耳の聞こえが悪くなって、回転性めまいを引き起こす「突発性難聴」、急激な気圧の変化によって回転性めまいや難聴、耳鳴りを引き起こす「外リンパ瘻」、中耳炎が内耳に及ぶとフワフワめまいが起こる「中耳炎によるめまい」もあります。
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