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A. |
それは、白衣性高血圧と呼ばれているものです。白衣を着た医師や看護師を前にすると緊張して、平常時より血圧が高めに出てしまう症状で、少なからず見受けられます。
そこで、私は患者さんに「血圧手帳」をつけることをすすめています。ご家庭で毎日、朝、昼、晩と一日に3回、リラックスした状態で血圧を測り、手帳に数値を記入して、診察の際に持ってきていただきます。これにより、その人の血圧の傾向がわかり、降圧薬の処方などにも役立ちます。
ご家庭での血圧測定は、現在、血圧が正常値の方にも、ぜひ実行していただきたいと思います。仕事をされている方なら、朝と夜だけでもかまいません。
ご家庭で測る場合の血圧計は、上腕、つまり二の腕で測るタイプがおすすめです。指先や手首で測るタイプもありますが、精度の面で腕タイプのほうが優れています。
血圧は、一日のうちでも常に変化しており、朝に高い人もいれば夜に高い人もいます。一般に、活動が活発な昼間は高くなります。朝に高い人は、心筋梗塞や脳卒中になりやすいといわれており注意が必要です。
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A. |
高血圧は、初期には自覚症状がほとんどありません。頭痛がする、肩がこるといった症状を訴える人もいますが、これも特有の症状ではありません。自覚症状がないため、定期検診などで高血圧を指摘されても、そのまま放置している人も多いと思います。
しかし、高血圧を放っておくと、動脈硬化が徐々に進行していき、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症など、命にかかわる病気を引き起こす危険があります。高血圧が「サイレント・キラー」と呼ばれるのは、このためです。
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A. |
高血圧の進行の度合いに応じて、段階的に治療を進めますが、軽・中程度のリスクの方なら、まずは、食事や運動など生活習慣の改善をベースに指導していきます。1~3カ月経過をみて、それでも良好な結果が得られなかった場合は、降圧薬を開始します。すでに高いリスクのある方は、最初から降圧薬を処方します。
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A. |
たとえば、最高血圧150、最低血圧90くらいだった人が、生活習慣を改善して、薬もしっかり飲んで、110の70くらいに下がったとします。ご家庭で測った数値も最高血圧100を切るくらいに下がりすぎている場合は、薬の変更もしくは薬を一旦やめてみるという判断にもなるでしょう。しかし、こういう人は、ほとんどいないのが実情です。
先の塩分量に関していえば、高血圧の人は一日6g未満といわれており、濃い味に慣れている人にとって、続けていくのは相当に大変なはずです。
自己管理を徹底するには、本人の強い意志が不可欠で、それほど簡単なことではありません。そこで、多くの人が降圧薬に頼ることになるのです。
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A. |
結構、多くいらっしゃるのが「今日は、血圧が低かったので薬を飲まなかった」という人。これは薬の効果で下がっているのであって、やめればまた上がります。経験的にいえば、最高血圧150くらいの人が、降圧薬の効果で130くらいに下がったとしても、服用をやめれば、ほぼ確実に元に戻るか、リバウンドで元より高くなる危険があります。
ご質問のように、薬は、できれば飲まないほうがいいと思っている方もいるでしょう。しかし、基本的に降圧薬は“一生つきあっていく薬”です。自分での判断は絶対に避け、疑問があれば、必ず医師に相談してください。
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