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Vol.63 正しい知識で、すこやかダイエット 第1回(全2回)

監修/笠間和典先生
 
正しい知識で、すこやかダイエット
 
正しい知識で、すこやかダイエット
 
A.  肥満度を判定するには、BMI(体格指数)がよく用いられます。この指数は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出されます。日本肥満学会では、この数値が22で標準体重、25以上で肥満としています。「標準」とは、いちばん健康を維持しやすい、言い換えれば病気になりにくい理想的な体重です。
 BMIが25を超えている人は、できれば少し減量したほうがいい。しかし、絶対ということではありません。絶対に体重を落とさなければいけないのは、BMI35以上で、重症肥満による合併症がある人。糖尿病や高血圧、高脂血症など、いわゆるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が引き起こす病気にかかっている人です。
 
正しい知識で、すこやかダイエット
 
A. 正しい知識で、すこやかダイエット まず、基本中の基本は、お腹がすいているとき以外は食べないということでしょう。とても単純なことなのですが、みなさん、これがなかなか実行できない(笑)。テレビを見ながら、勉強しながら、パソコンを打ちながら、ついつい食べてしまう。このカロリーが意外に多いのです。
 カロリーに関していえば、基礎代謝量、つまり生きていく上で、一日に最低限必要なカロリーは男性で1500、女性で1200キロカロリー程度。加えて、活動した分だけカロリーが必要になります。この原理に基づけば、一日の摂取カロリーを男性で2000、女性で1700キロカロリーくらいに抑えていれば、それほど太るということはないはずです。
 食事は、肉よりも魚。脂ものは控えて、良質なたんぱく質をとる。いわば昔の日本人がとっていたような魚と野菜を中心とした食事が理想です。そしてもうひとつ、大切なのが運動です。
 
正しい知識で、すこやかダイエット
 
正しい知識で、すこやかダイエット
 
A.  効果があるのは、やはり有酸素運動です。比較的、軽い運動を長期間にわたって行う。大事なのは続けることです。軽い運動でも、3ヶ月間も続けて行えば、効果は確実に出ると思います。
 運動としては、今、かなりのブームになっていますが、自転車はいいのではないでしょうか。スポーツクラブのバイクでも結構ですが、普通の自転車の方が景色も変わって楽しいし、気分転換にもなると思います。
正しい知識で、すこやかダイエット  体力に自信のない方は、ウォーキングから始めてみてはいかがでしょう。そして、徐々に自信がもてるようになったら軽いジョギングへ。
 水泳も全身運動でとてもよいのですが、体温が上がりにくい分、脂肪も燃焼されにくくなります。ですから、体力に自信のある方なら、走ったあとに軽く筋トレして、最後に仕上げで泳ぐ。これがベストだと思います。
 
正しい知識で、すこやかダイエット
 
A.  太りにくいからだをつくるには、筋肉量を増やす必要があります。筋肉量が増えると基礎代謝量も増え、カロリー消費が高まるからです。
 しかし、食事制限だけのダイエットでは、脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまうのです。筋肉量が落ちて、基礎代謝量も下がったところで、見かけの体重が減ったからと食事を元にもどしてしまうと、今度は脂肪だけが増えてくる。これがリバウンドです。この悪循環をくり返していると、どんどん痩せにくいからだになってしまいます。
 筋肉量を増やすには、やはり運動です。ダイエットには、食事のコントロールとともに適度な運動が欠かせないのです。

正しい知識で、すこやかダイエット
第1回
第2回

笠間 和典(カサマ カズノリ) 笠間 和典(カサマ カズノリ)
【資格】
日本外科学会専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本消化器外科学会認定医
麻酔科標榜医
日本麻酔学会専門医
日本救急医学会専門医
Fellow of American College of Surgeon(FACS)

【略歴】
群馬大学医学部卒業
群馬大学医学部 麻酔・蘇生科
大阪大学特殊救急部
亀田総合病院 外科医長
三省会 堀江病院 外科部長 救急室長
東北大学、滋賀医科大学、群馬大学非常勤講師兼任

【所属学会等】
日本内視鏡外科学会(評議員)
日本外科学会
日本消化器外科学会
日本麻酔学会
日本救急医学会
日本肥満学会
日本肥満症治療学会(評議員)
日本糖尿病学会
米国消化器内視鏡外科学会
米国肥満外科学会
国際肥満外科学会アジア太平洋地区 Executive committee
アジア太平洋肥満外科学会(創立会員)
ポーランド肥満外科・内視鏡外科学会雑誌 編集委員