医療情報サテライト

Vol.35 アンチエイジングとは? 第1回(全2回)

監修/平野敦之先生
アンチエイジングとはどのような病気なのでしょうか?



 アンチエイジング医療がどのように行われているかについて、紹介していきたいと思います。
以下に米国で行われているアンチエイジング医療の流れの概要について示します。

1.アンチエイジング・ドック(身体の老化度の総合的評価)による健康“状態”の把握
 :何が自分の健康状態に悪影響を与えているのかを探り出す。
2.食事療法:食生活の問題点を探り、その改善へのアドバイスをおこなう。
3.運動療法:個人の年齢、身体の状態に合わせた運動を日常生活に取り入れる。
4.精神療法:カウンセリング、補完代替医療などにより、精神的ストレスなどの解消を図る。
5.サプリメント(栄養剤、健康食品など)の補充
6.ホルモン剤を含む薬物治療
7.加齢変化に対する美容(外科)医療

このように、まず自分の健康状態を把握した上で、何が今必要なのか、どう対応したらいいのかを考えていきます。

基本は食事の改善、運動量のアップ、ストレスの解消、よく眠る、タバコをやめる、アルコールを控える、紫外線を避けるなど、日常生活の改善が主体となりますが、それらを補助的に支えるのがサプリメントやホルモン療法ということができます。

また、その土台がしっかりしたところに、目に見えて出てきてしまった身体の変化に美容医療を施せば、より効果が現れることになります。


 もちろん身体にとって必要な栄養素は、食事から摂るのが理想ですが、最近の食材の問題(野菜などに含まれる栄養素の減少など)、不規則な食生活などから、必要な栄養素を食事だけで補うのは非常に困難になっていますし、無理して摂ろうとすると、かえってカロリー・オーバーになってしまいます。

 またコエンザイムQ10、α-リポ酸などエネルギー代謝に必要で、かつ強力な抗酸化力(増えすぎた活性酸素を退治する力)を有する物質はサプリメントに頼らざるを得ません。

 だからと言って、手当たり次第にサプリメントを摂ればいいというものではなく、自分に必要なものを知り、そしていいサプリメントを摂ることが重要と考えます。

 アンチエイジングに有用なサプリメントですが、年齢を重ねるに従って増加する活性酸素を抑えるものが中心になります。

以下の表にその分類と代表的なものとその効能について示します。

分類 サプリメント 主な作用・効果
抗酸化物質 ビタミンA・C・E、コエンザイムQ10、α-リポ酸、セレン、アスタキサンチン、グルタチオン、リコピン、クルクミン(ウコン)など 免疫力の向上
ガンや心臓病の予防
体質改善
健康な血液作り
代謝亢進作用 ビタミンB1・B2・B6・B12
ナイアシン、パントテン酸
L-カルニチンなど
肥満の防止、解消
ビタミンB群不足による特定疾患の予防
脳機能改善 イチョウ葉エキス、
ホスファチジルセリン
DHAなど
脳の動きの活性化
記憶力の回復
脳血管障害(脳卒中)の予防
免疫調整作用 食物繊維、オリゴ糖、ビフィズス菌、霊芝、キャッツクロー、エキナセアなど 免疫力の向上
ガンの予防
その他 カルシウム、マグネシウム、ビタミンDなど 骨の強化
ビルベリー、ルテインなど 眼の老化予防

これらに加えて 女性では、イフラボン、リグナンブラックコホシュなど。
男性では、ノコギリヤシ、マカ、亜鉛、アルギニンなどが有用とされています。


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