内診をした上で超音波検査をすれば子宮筋腫があるかないかは大体分かります。
子宮筋腫と同じように子宮の筋肉から発生する腫瘍で悪性のものを肉腫といいますが、これとの関連を調べるときはMRIで検査します。
引き続き経過を見守る必要があるとき、また子供を生みたい患者さんについては、MRIで筋腫の位置と大きさを確認しておきます。
多くの患者さんが、検査や治療で痛い思いをするのは嫌、手術はなるべく避けて薬で治したいと思っておられます。ですから子宮筋腫の治療でも手術をする方法と、薬物療法の二つを使い分けています。
薬物療法についていうと、子宮筋腫がそれほど大きくなく症状も強くない場合、たとえば痛みがあれば鎮痛剤、貧血であれば増血剤などの、いわゆる対症療法で対応します。
そうした対応で不十分な場合には、ホルモン療法を行います。
その一つは偽閉経療法です。これは、閉経後は筋腫が縮小していくことから、薬物によって人工的に閉経状態にする治療法です。
先ほど筋腫はエストロゲンの分泌によって大きくなると言いましたが、そのエストロゲンの分泌を薬で抑えるのです。そうすると筋腫は縮みますし、生理がとまるので生理に随伴する症状である貧血がやみます。
ただしこの療法の弱点は、骨量低下や更年期症状などの副作用があるため、薬を連用できるのは6ヵ月が限度であること。6ヵ月月間は調子がよいが、やめると再び生理が始まり筋腫も元に戻ることです。
ですから、この治療で閉経まで逃げ込んだり、手術までの一時的な療法として最近よく活用されています。
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