いびきで、自分とか家族が悩んでおられる方はたくさんいらっしゃいます。いびきとは、睡眠中の異常な呼吸音をさすわけですが、どこからあのような大きな音が生ずるのでしょうか。
軽口蓋(のどちんこの周囲)と両側の扁桃腺と舌に囲まれた部分を口狭と言います。睡眠中とか、高齢とか、肥満になると誰でも筋肉が弛緩して、舌はのどに落ち込み、軟口蓋が下垂し、口狭がさらに狭くなり、上記道の呼吸抵抗が高くなります。呼吸のたびに下垂した軟口蓋が弁のような働きをして、いびきを生じます。原因はのどだけではありません。鼻呼吸の障害でもいびきをかくことになります。
副鼻腔炎・
鼻中隔湾曲症・アレルギー性鼻炎など鼻詰まりがある方にもいびきが多いのです。
【のどの病気】
口蓋扁桃肥大、
アデノイド増殖症、
舌根扁桃肥大等があり、これらに対しては、口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術、時に舌根扁桃切除術を行います。
【鼻の病気】
副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、
鼻中隔湾曲症などがあり、薬物治療で効果がなければ、副鼻腔根治術、鼻中隔湾曲矯正術、
下甲介切除術などを行います。
【口狭部狭小】
いびきの患者さんの多くは、軟口蓋の下垂、いわゆる“のどのつくり”に問題があります。これに対して行われるのが「いびきの手術」といわれる軟口蓋・口蓋垂形成術です。たるんだ軟口蓋および下がった口蓋垂を一部切除して縫い上げる手術で、全身麻酔下において行い、入院は1週間位です。切除・縫合が難しい手術ですが、出血その他の危険はほとんどなく、効果が大であります。
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