医療情報サテライト

Vol.14 いびき(睡眠時無呼吸症候群)について

監修/神尾友和先生 神尾記念病院理事長・院長
いびきのメカニズムは?


~原因は?~
口内 いびきで、自分とか家族が悩んでおられる方はたくさんいらっしゃいます。いびきとは、睡眠中の異常な呼吸音をさすわけですが、どこからあのような大きな音が生ずるのでしょうか。

軽口蓋(のどちんこの周囲)と両側の扁桃腺と舌に囲まれた部分を口狭と言います。睡眠中とか、高齢とか、肥満になると誰でも筋肉が弛緩して、舌はのどに落ち込み、軟口蓋が下垂し、口狭がさらに狭くなり、上記道の呼吸抵抗が高くなります。呼吸のたびに下垂した軟口蓋が弁のような働きをして、いびきを生じます。原因はのどだけではありません。鼻呼吸の障害でもいびきをかくことになります。 副鼻腔炎・ 鼻中隔湾曲症・アレルギー性鼻炎など鼻詰まりがある方にもいびきが多いのです。

 

~いびきを起こす病気とその治療について~
【のどの病気】
口蓋扁桃肥大、 アデノイド増殖症、 舌根扁桃肥大等があり、これらに対しては、口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術、時に舌根扁桃切除術を行います。

【鼻の病気】
副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、 鼻中隔湾曲症などがあり、薬物治療で効果がなければ、副鼻腔根治術、鼻中隔湾曲矯正術、 下甲介切除術などを行います。

【口狭部狭小】
いびきの患者さんの多くは、軟口蓋の下垂、いわゆる“のどのつくり”に問題があります。これに対して行われるのが「いびきの手術」といわれる軟口蓋・口蓋垂形成術です。たるんだ軟口蓋および下がった口蓋垂を一部切除して縫い上げる手術で、全身麻酔下において行い、入院は1週間位です。切除・縫合が難しい手術ですが、出血その他の危険はほとんどなく、効果が大であります。



いびき(睡眠時無呼吸症候群)について
いびきのメカニズムは?
睡眠時無呼吸症候群とは?
神尾友和先生プロフィール

神尾 友和(かみお ともかず)先生プロフィール
神尾 友和(かみお ともかず) 神尾 友和(かみお ともかず)
医療法人財団 神尾記念病院理事長・院長
医学博士
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
学校法人日本医科大学客員教授
社団法人日本耳鼻咽喉科学会評議員
社団法人日本医療法人協会名誉会長 他多数

日本医科大学大学院卒業(外科系耳鼻咽喉科専攻)
帝京大学医学部(講師)、米国・Los Angels耳鼻学研究所(留学)
日本医科大学(講師・助教授)を経て
1983年より現医療法人神尾記念病院理事長就任
1989年より現医療法人神尾記念病院院長就任

【所属学会・団体】
American Association of Eyeand Ear Hospitals
日本耳鼻咽喉科学会、日本耳鼻学会、日本聴覚医学会、
日本平衡神経科学会、日本臨床耳鼻科学会、日本医師会 他多数

*会員制健康管理クラブ「セコム健康くらぶKENKO」 耳鼻咽喉科相談医
 
詳しくはこちら へ セコム健康クラブ