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PET(Positron Emission Tomography)検査は、人体の輪切りや縦切りの断層画像で病気の原因や病状を診断する最新の検査法で、欧米では、今後いちばん増えていく検査だと言われています。
この検査では、ブドウ糖にアイソトープ(同位元素)を組み入れた薬剤を、ごく微量、血管注射などで体内に入れ、体のさまざまなところにブドウ糖が集まる様子を体の外からPET装置で撮影します。薬剤は寿命が極めて短いため、PET装置と同じ施設内にある専用の装置でつくられます。
ガン細胞は分裂が盛んに行われるため、正常な細胞よりもエネルギー源となるブドウ糖を何倍も取り込む性質があります。PET装置で撮影された画像では、ガン細胞にブドウ糖が集中している状態を黒い影として確認できます。これにより、ガンが体のどこにあるのか、その大きさはどのくらいなのかがわかるのです。
また、1度の検査で、大腸に限らず全身ほぼくまなく診断できるのもPET検査が評価されている理由のひとつです。
※大腸ガンのPET写真(
→
の部位がガン)
PET検査は、多くのガンの診断に有効です。PET検査で検出されやすいガンとしては、大腸ガンの他にも、乳ガン、肺ガン、甲状腺ガン、膵臓ガン、悪性リンパ腫、卵巣ガン、ほくろのガンである悪性黒色腫などがあります。
逆に検出されにくいガンとしては、これらのガンとはブドウ糖の代謝が異なる、肝臓ガン、腎臓ガン、前立腺ガンなどがあげられます。
また、1センチに満たないガンの検出には、まだまだ限界があるのが現状です。
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