医療情報サテライト

Vol.12 大腸ガンとPET検査について 第1回(全2回)

監修/安田聖栄先生
その診断、治療法は?
~大腸ガンの診断は?~
大腸ガンの程度は、ABCの3つの段階に分類されます。Aは、ガンが大腸壁内にとどまっている段階。Bは、ガンが大腸壁まで出ている段階。そしてCは、リンパ節に転移のある段階です。一般に、Aの段階であれば、手術により90%は治ると言われています。
さらにこれより初期の段階、ポリープの状態で発見できれば、肛門からカメラを入れる大腸内視鏡による手術で切除できます。直腸にあるものなら場所も近く、痛みもないので麻酔なしでも切除できます。奥の方ですと内視鏡がかなり深く入って行くため、患者さんによっては痛みを感じる場合もあります。この場合は、静脈麻酔をした上で切除を行います。

~治療には、どのくらいの時間がかかるのですか?~
治療にかかる時間は、大体30分くらいです。小さいポリープなら外来で終了。1センチを少し越えるものでも2~3日入院といった程度です。
また、ある程度、進行したガンに対しては、お腹に小さな穴を2~3カ所開け、カメラを入れて手術する腹腔鏡手術が行われます。さらに進行したガンになると開腹手術が必要になります。

PET(ペット)検査~検査の方法は?~
大腸ガンの検査でもっとも一般的なのは、便潜血反応検査、いわゆる検便でしょう。便に血液が混じっていないかを化学的に調べる検査で、集団検診など、多数の人を対象に行うには有効な検査です。しかし、すでに進行しているガンやポリープでも、この検査では検出されないことがあります。それとは逆に、偽陽性といって、痔などで出血している場合も潜血反応は陽性になります。実際、陽性と出た方の多くが、この偽陽性です。
より精密な検査をお望みなら、内視鏡やバリウムによる検査を受けられるとよいでしょう。また今もっとも新しい検査であるPET(ペット)検査でも大腸ガンを発見することができます。



大腸ガンとPET検査について
大腸ガンとはどのような病気なのでしょうか?
その診断、治療法は?
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