ほっとひと息 健康らんど

Vol.47 麻疹(はしか)

2.予防
 麻疹を予防するには、どのような方法がありますか。マスク・手洗いで予防できますか。
 麻疹は感染力が強く、マスクの着用や手洗い・うがいだけで予防することは難しく、ワクチン接種が有効な予防方法だと言われています。
【予防接種】
※麻疹ワクチンは生ワクチン
定期接種(予防接種法に基づくもの)
第1期:1歳児・・・誕生日が来たらできるだけ早目の接種を推奨
第2期:小学校入学前1年間の幼児・・・流行時期を考慮し、4~6月の接種を推奨
任意接種
定期接種の期間(上記各1年間)以外の接種
 予防接種により、どの程度免疫を獲得することができるのでしょうか。2回接種は必要でしょうか。
 1回の予防接種で免疫を獲得する割合は、95%以上と報告されています。2006年より、以下の理由で2回接種となりました。
【2回接種の理由】
1回の予防接種で免疫を獲得することができなかった場合(数%存在)に免疫を獲得する
1回の予防接種で免疫を獲得したが、年数経過と共に免疫が低下している場合、接種により免疫を強固にする
何らかの理由により1回目の予防接種を受けられなかった場合、接種の機会とする
 予防接種を受けることができない場合は、どのような場合でしょうか。予防接種による副反応が心配ですが、どのような症状が見られますか。
 予防接種不適当な場合や、予防接種の副反応についてまとめましたので、以下をご参照下さい。
【予防接種不適当な場合】
妊娠中
(※予防接種後2ケ月は妊娠を避ける)
接種3ケ月以内に、ガンマグロブリン(血液製剤の一種)注射や輸血を受けたことがある
近日他の予防接種を受けたことがある
  生ワクチン・・・接種後27日以上間隔を空ける
  不活化ワクチン・・・接種後6日以上間隔を空ける
過去にワクチンに含まれる成分により、全身性のアレルギー反応を起こしたことがある
重い急性の疾患に罹っている
接種当日の体温が37.5℃以上
医師が接種することを不適当と判断した場合 等
【副反応】
接種後30分以内
接種部位の発赤・腫脹、突発性の部分的な浮腫、蕁麻疹 等
接種後数時間~1日以内
発熱・発疹 等
接種後5~14日(ウイルスが体内で増殖時期)を中心として
発熱・麻疹様の発疹 等
 予防接種後、どの位の期間で免疫を獲得できるのでしょうか。
 定期予防接種未実施で、麻疹患者と接触した場合、発症を予防する方法はありますか。
 接種後、1週間程度すると免疫ができ始めると言われています。
 麻疹患者と接触した場合、対応方法は二つあります。
【麻疹患者と接触時の緊急対応】
緊急ワクチン接種 (接触後72時間以内)
ワクチン接種による免疫が、接触により侵入したウイルスの増殖を防ぎ、発症を予防する
ガンマグロブリン注射 (接触後4日以上~6日以内)
一過性に免疫状態ができ、発症を予防したり、発症時の重症化を避ける
体内で抗体産生はなく、数ケ月以内に免疫状態は消失するため、後に予防接種が必要
※いずれの方法も100%発症を予防できるわけではない
※状況により適応が異なり、いずれにしても医師との相談が必要となる
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