ほっとひと息 健康らんど
Vol.44 歯周病
1.原因と全身への影響
最近、若い方にも歯周病が増加していると聞きます。歯周病について教えて下さい。
歯の周りには歯を支える組織がありますが、この組織に炎症が起こる病気を歯周病と言います。歯周病は歯を失う大きな原因となります。
<歯周病の発生要因>
【細菌】
不充分な歯磨きにより、歯と歯肉の境界に歯垢がたまり、歯垢中の歯周病菌が増加する
【身体全体】
・
年齢・性別
・
糖尿病・肥満など全身の疾患
・
ホルモンバランスの変化
・
免疫力の低下
【生活習慣】
・
食生活・栄養状態
・
喫煙・ストレス
・
歯磨き習慣
・
治療薬
歯周病は、様々な疾患との関連があると聞きますが本当でしょうか。
本当です。歯周病で歯を失うことにより、全身に大きな影響を来たしますし、歯周病が、全身疾患と関連していることがわかってきました。
<歯周病と全身への影響>
【動脈硬化】
動脈硬化を起こした血管から、歯周病菌が検出されている
【狭心症・心筋梗塞】
動脈硬化が進行して起こる(【動脈硬化】参照)
【心内膜炎】
心臓の弁に歯周病菌が感染する
【糖尿病】
歯周組織の炎症により、インスリンの働きを妨げる物質が増える
【肺炎】
誤嚥により歯周病菌が気管に入り込む
【肥満】
噛むことが不充分となり、満腹感が得られず、過食となり易い
【認知症】
噛むことが不充分となり、脳への伝達物質が減量する
【骨粗鬆症】
噛むことが不充分となり、食事から得られるカルシウムが不足する
【胎児の低体重・早産】
歯周組織の炎症により、放出される物質が胎盤に影響を及ぼす
では、どのような症状に注意すれば良いのでしょうか。
歯周病は、個人差はありますが、年単位でゆっくり進行する疾患です。初期には歯肉炎症状が見られます。
※喫煙者は進行が早くなります。
<注意する症状>
【歯肉炎】
・歯肉の腫れ
・歯磨き時の出血
【軽度歯周炎】
・歯肉に溝(歯周ポケット)ができ、
歯垢や歯石がたまり易くなる
・起床時に口腔内のネバつきがある
・歯磨き時の出血が多くなる
【中等度歯周炎】
・噛む時に違和感を感じる
・腫れた歯肉から出血や膿が出る
・口臭が強くなる
・歯がグラつく
【重度歯周炎】
・
歯を支える組織が破壊され、歯が長く見える
・
冷たい物や酸味のある物がしみる
・
物を噛むことができず、歯が抜けることもある
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