ほっとひと息 健康らんど
Vol.36 起立性調節障害
1.起立性調節障害
中学生の娘がいますが、夏になると、立ちくらみやめまいが酷くなります。知人から起立性調節障害ではないかと言われましたが、どのような病気でしょうか。
前回、自律神経について説明しましたが、思春期に、自律神経のバランスが崩れることにより起こる、自律神経機能失調の一つと言われています。
<起立性調節障害>
人間は起立時に、重力により血液が下半身に移動するため、血圧が低下します。これを防ぐために、交感神経が働き血管を収縮させ、血圧を維持しようとします。しかし、起立性調節障害の場合は、交感神経の働きが充分でないため、血圧が低下した状態が続き、全身への血流が維持されず、立ちくらみやめまいが起きるとされています。
身体がだるく、朝起きるのが辛いようです。それもこの症状でしょうか。
起立性調節障害には次のような症状がみられますので、その可能性も考えられます。
<起立性調節障害の症状>
立ちくらみ・ふらつき・朝なかなか起きられない・午前中体調不良
疲れ易い・疲労回復が遅い・少しの運動で動悸や息切れがする
顔色不良・食欲不振・頭痛・腹痛・思考力や集中力低下 等
では、なぜ朝起きられないのですか。
血圧が低いからでしょうか。
複数の原因があり、悪循環になっていると考えられています。
<朝起きられない原因>
★
朝、交感神経の活性化が悪く、血圧が上昇しないため、脳血流を保つことができない
★
午後から交感神経が活性化し、深夜になっても活性化が低下せず寝つきが悪くなる
★
夜間眠れないため、夜更かしをしてしまい、朝起きられない
起立性調節障害かどうかは、どのように診断されるのですか。
起立血圧試験(起立時の血圧・脈拍測定)や、起立時の症状の有無(立ちくらみ・ふらつき・動悸・頭痛等)を確認し診断されます。
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