ほっとひと息 健康らんど
Vol.31 蕁麻疹
1.原因と分類
時々、皮膚が赤く盛り上がり、痒くなることがあります。蕁麻疹ではないかと思っています。病気について教えて下さい。
蕁麻疹は年齢・性別を問わず、比較的多くの人に現れる病気です。今回は蕁麻疹の特徴から説明しましょう。
<蕁麻疹とは>
皮膚の一部に突然様々な大きさ・形をした赤い膨らみ(膨疹)ができ、多くは痒みを伴います。
膨疹は、通常数十分~数時間以内で跡形なく消えますが、1日程度続くものもあります。
私の場合、症状は1時間程度で治まっていますので、蕁麻疹の特徴に似ていると思います。
その可能性が高いかも知れませんね。
反対に、一度現れた膨疹が何日も続く、跡形が残る、皮膚の表面のざらつき・かさつきなどがある場合や、発熱・身体のだるさなどを伴う場合は、他の病気が考えられるわけです。
何が原因になっているのでしょうか。思い当たる記憶がありません。
蕁麻疹の原因や誘因とされているものは様々です。しかし、原因が特定できないものも多いと言われます。症状の現れ方も特徴的で、分類も明確にされてはいませんが、代表的な分類を簡単に説明したいと思います。
★蕁麻疹の原因・誘因
<食物>
☆
小麦・牛乳・卵 ・・・ 乳幼児期に多い
☆
魚介類(サバ・マグロ・エビ・カニなど)
☆
肉類(鶏肉・豚肉・牛肉など)
☆
大豆・蕎麦など
☆
食品添加物
<薬剤>
☆
消炎鎮痛剤・抗生物質など
<接触>
触ったり、刺されたりして起こる
☆
植物(イラクサ・ゴムなど)
☆
昆虫(蜂など)
<吸入>
☆
埃・花粉・ダニ・ペットの成分など
<感染症>
☆
細菌・ウイルス・寄生虫・真菌(カビ類)など
<内科的な病気>
☆
自己免疫疾患
免疫系の働きが不良となり、自分自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまう病気
☆
ホルモン異常など
<物理的刺激>
☆
圧迫・摩擦
☆
寒冷刺激
☆
日光
☆
温熱刺激
☆
水刺激など
<その他>
☆
入浴
☆
運動
☆
精神的な緊張・ストレスなど
★蕁麻疹の分類
<病型別の分類>
Ⅰ
特発性蕁麻疹
原因が特定できない蕁麻疹で、全体の約70%を占める。
☆急性蕁麻疹
殆ど毎日蕁麻疹症状を繰り返し、発症後1ケ月以内のもの。
☆慢性蕁麻疹
殆ど毎日蕁麻疹症状を繰り返し、発症後1ケ月以上経過したもの。
Ⅱ
特定刺激や負荷により誘発することができる蕁麻疹
☆アレルギー性蕁麻疹
食物・薬剤・昆虫・埃などに含まれる特定物質(抗原)に反応して現れるもの。IgEという蛋白質(抗体)が関与する。
☆食物依存性運動誘発アナフィラキシー
小麦や魚介類など特定の食物を摂取した後、2~3時間以内に運動するとアナフィラキシーショックとなる。
☆非アレルギー性蕁麻疹
非ステロイド系消炎鎮痛剤・造影剤・色素・保存料などの食品添加物の刺激により現れるもの。IgEという蛋白質は関与しない。
☆物理性蕁麻疹
物理的刺激(原因・誘因 参照)により現れるもの。
☆コリン性蕁麻疹
入浴・運動・精神的緊張などで汗をかくと現れるもの。
子供~20歳代に多い。
Ⅲ
特殊な蕁麻疹
☆血管性浮腫
唇・瞼など顔面に腫れが現れ、痒みを伴わない。
2~3日程度で消える。
- 次のページ -
>ほっとひと息 健康らんど トップに戻る