ほっとひと息 健康らんど

Vol.16 心肺蘇生法(救命処置)

2.小児・乳児編
 では、次に小児(1歳以上8歳未満)と乳児(1歳未満)の心肺蘇生についてお話します。
 子供の場合は大人と違って難しいのでしょうか?
 多少の違いはありますが、基本的なところは変わりません。
 先程の成人と重なるところもありますが最初から説明します。

1.反応の有無を確認する!
  肩を軽く叩いたり、大声で呼びかけて何らかの反応がなければ「反応なし」とみなす。

2.救助者1人の場合!
  反応なし⇒助けを呼ぶ⇒
CPRを5サイクル(2分)施行⇒
119番通報・AED
小児の場合は低酸素による心停止が多いのですぐに蘇生が必要である。

3.気道を確保する!
  頭を後ろに屈曲させ、顎先を挙げる。

4.呼吸を確認する!
10秒以内に呼吸があるか、ないかを確認し、CPRを行う。
成人と違い死期呼吸は分かり辛い為、あるかないかで判断する。

5.回復体位!
反応はないが正常な呼吸をしている場合は回復体位にし、救急車の到着を待つ。

6.人工呼吸をする!
 
小児⇒ 気道を確保したまま、鼻をつまみ、大きく口を開け、負傷者の口を覆い息を吹き込む。
乳児⇒ 口鼻一緒に吹き込む。
  1回あたり、約1秒かけて胸が上がるのを確認出来る程度の吹き込みを2回行う。
小児は最初の吹き込みが大切。胸が上がらないのに吹き込んではいけない。

7.心臓マッサージをする!
人工呼吸についで心臓マッサージを行う。
胸骨圧迫の位置を確認する。
小児⇒圧迫位置は成人と同じ。
乳児⇒両乳頭を結ぶ線のすぐ下。
圧迫の方法。
小児⇒ 一方の掌の付根に他の手を添える(腕2本の場合)。
一方の掌の付根で行う(腕1本の場合)。
乳児⇒ 指2本で行う。
圧迫の注意点。
小児・乳児⇒ 掌または指が胸を押して戻る時に身体から離れないようにする。
圧迫の程度。
小児・乳児⇒ 胸の厚みの1/3程度。
圧迫の速さ。
小児・乳児⇒ 約100回/分。
圧迫回数。
小児・乳児⇒ 心臓マッサージを30回行い人工呼吸を2回行う。
介助者が2人の場合は15:2で行う。


8.AEDを行う!
  基本的に成人に準ずる。
  ※成人との違い。
 
小児⇒ 小児用パッドを用いる。
(機種によっては装備されていない物もあり、その場合は成人用で行う)
乳児⇒ 推奨されていない。

9.CPRは反応が出るまで行う!
  CPRは何らかの応答や反応(嫌がる仕草等)が現れるまで行う。
または、救急隊に引き継ぐまで行う。
 最近はAEDの普及により、救命率も上がってきました。
 通報から救急車到着までは約6分かかります。
 救急車到着までの間に出来る事があるのを忘れないで下さい。
 心臓が止まってから約3分で50%の生命が失われ、呼吸が止まってから約10分で50%生命が失われると言われています。
 迅速な対応が多くの生命を救える事を忘れないで下さい。
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