ほっとひと息 健康らんど
Vol.14 家庭内で起こりやすい子供の事故『誤飲』
3.電池
中毒症状が出たりしたら慌ててしまいそうです。
あまり症状が出ない場合は様子をみて良いのでしょうか?
誤飲した場合、中毒症状が心配な場合も多いですが、他の意味で心配な場合があります。
中毒症状を起こす事ではなく、物理的障害が問題となる物があります。
画鋲・釘・ホッチキスの針・ピアス・パチンコ玉・磁石・硬貨・紙類・ラップ類・アルミ箔・発砲スチロール・医薬品のPTP包装・ガム・輪ゴム・消しゴム・おもちゃの部品・プラスチック・ガラス・金具・石・土砂などです。
これらの誤飲が疑われた場合は至急病院受診して下さい。
レントゲンを撮って貰った方が良いのですね?
全てがレントゲンに写るわけではありません。
プラスチックなどはレントゲンに写りません。飲み込める程の大きさであれば自然に排便と一緒に出てくるわけですが、途中消化管に障害を起こす場合もあります。
まずは病院に受診し、その後の注意点などを確認しましょう。
排便と一緒に出てくるのを待つまでの間、腹痛や血便などの症状が出た場合は至急受診しましょう。
電池も同じですか?
電池は物理的な障害より中毒症状が心配な場合があります。種類によっても違いますので、憶えておくと良いと思います。
【電池の毒性】
乾電池・・・
古い乾電池から漏れ出した液を舐めた場合は塩化アンモニウムや塩化亜鉛による強酸類似の症状、アルカリ乾電池の場合はアルカリによる症状が出ます。通常の電池を飲み込んだ場合は排泄されます。
ボタン電池・・・
使用済みの完全に放電した電池は毒性のない異物と考えられます。
SR(酸化銀電池)・LR(アルカリマンガン電池)・MR、NR1(水銀電池)・PR(空気電池)・BR、CR、GR、CL(リチウム電池)
【症状】
乾電池
①
飲んでしまった場合は無症状で72時間後に排泄される場合が多い。
②
食道内に停滞すると圧迫により、壊死を起こす。
③
消化管内では放電により組織腐敗をきたす。一箇所に停滞し、崩壊した場合は潰瘍や消化管穿孔の可能性がある。
④
漏れを舐めた場合は悪心、嘔吐、頭痛、胃痛、腹痛、接触性皮膚炎。
⑤
アルカリ乾電池・・・口腔・咽喉、食道粘膜の腐食や潰瘍形成。
ボタン電池
①
初期症状・・・嘔吐、胸痛、咳嗽、腹痛、下痢など。
②
重篤症状・・・食道・胃の粘膜の腐食や穿孔。
③
水銀電池・・・水銀中毒の可能性も考慮する。
【応急処置】
(乾電池・ボタン電池共通)
①
飲んだ可能性のある場合は確認の為にも受診が必要です。レントゲンに写ります。電池の種類を確かめましょう。病院に同じ物があれば持参しましょう。鼻や耳に入れた場合も同じです。
②
液漏れの場合は眼や皮膚についた場合は洗浄し、洗浄後も症状が残ればすぐに受診しましょう。
③
舐めた場合は冷たい牛乳または水を飲ませてから受診しましょう。
家庭で注意する事は『液体蚊取り』と同じです。
子供は思いがけない物を口に入れます。
家庭内は危険が一杯です。でも、家族の注意や協力で『家庭内の誤飲事故』は防げます。
子供になったつもりで危険物(遊び道具になりそうな誤飲しやすそうな物)を捜してみましょう。
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