ほっとひと息 健康らんど

Vol.14 家庭内で起こりやすい子供の事故『誤飲』

2.液体蚊取り
 誤飲した場合は、どのような物でも吐かせた方が良いのでしょうか?
 いいえ、誤飲した物によって応急処置の方法は異なります。
 例えば、水または牛乳(適応でない場合もある)を飲ませて吐かせる場合、水または牛乳を飲ませて様子をみる場合、吐かせてはいけない場合など様々です。
 次に吐かせてはいけない物の代表的な物の『液体蚊取り』についてお話します。
【液体蚊取りの毒性】
 殺虫成分と香料や酸化防止剤を微量に添加し、灯油が溶剤として使われています。
 最近では灯油の代わりに界面活性剤と水が含有されている水性タイプの商品もあります。
 大量摂取した場合は殺虫剤成分よりは灯油による中毒作用に注意しましょう。
 液体ボトルは開かないので殆どは液体の染み込んだ芯を舐める程度の事が多いです。その場合の中毒性は低いです。

【症状】
※舐めた程度では中毒症状の発現は少ないです。
ヒレスロイド系殺虫剤
吐き気、嘔吐、下痢、口唇・舌のしびれ、眩暈、顔面蒼白、痙攣。
皮膚炎・アナフィラキシーショックなど。
灯油
口腔・咽頭・胃の灼熱感、嘔吐、下痢、傾眠、昏睡。
過呼吸、チアノーゼ、頻脈、発熱、肺水腫、肺出血、結膜炎。
接触性皮膚炎など。
界面活性剤
口腔・咽頭の炎症、吐き気、嘔吐、下痢、しゃっくり、運動麻痺、体温低下、痙攣など。
【応急処置】
舐めた程度なら口をすすぎましょう。
吐かせてはいけません。(気管内に誤飲する危険性あり)
界面活性剤含有商品なら牛乳(120~240ml、幼児15ml/kg)卵白などを与えると良いです。
眼に入った場合は流水で15分以上洗浄し、症状があるようならすぐに受診しましょう。
灯油含有製品を誤飲した可能性のある場合は化学性肺炎を起こすおそれが強いので症状がなくても至急受診しましょう。
【家庭内での注意事項】
子供の手の届かない所で使用しましょう。
使い終わった後も見えない所に捨てましょう。
どのような成分で出来ているものか常に把握しておきましょう。
 吐かせる事が危険だという事を初めて知りました。
慌てずに出来るか心配です。
 慌てずに冷静に判断する事が大切です。
また、誤飲してしまった時は、出来るだけ早急に受診するようにしましょう。
 その際に飲んだ物の種類(商品名や成分など)、飲んだ量、摂取した状況、摂取時の状態などを的確に答えられるようにしておきましょう。容器や吐いた物を持参すると良いでしょう。
 詳細な状況が分かれば的確な処置につながります。
 他にも灯油・マニュキア除光液・シンナー・安全ピン・針・ガラス・トイレ用洗剤・殺虫剤・カビ取り剤・除草剤・配管洗浄剤・生石炭・漂白剤・ナフタリン・油性塗料・しょうのう・画鋲などを誤飲した場合は吐かせずに至急病院に受診して下さい。
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