ほっとひと息 健康らんど
Vol.14 家庭内で起こりやすい子供の事故『誤飲』
1.タバコ
今回はサクラちゃんのお母さんと一緒に『誤飲』について勉強しましょう。最初は『タバコ』の誤飲についてです。
サクラちゃんはこの間、タバコを食べてしまい大変だったそうですよね?
はい、家族は誰もタバコを吸わないのですが、先日、いらっしゃったお客様がタバコを吸う方だったのです。その吸殻をテーブルに置いたままにしている事に気付いて捨てようと取りに行ったらちょうど食べているところで、慌てて病院に連れて行きました。
これからは充分に気をつけますが、参考にタバコを食べてしまった時の応急処置や家庭内での注意点があれば教えて下さい。
タバコは家庭内における誤飲事故の1位に毎年なります。
特にサクラちゃんのようにハイハイが出来るようになった時期くらいから、1歳前後の子供に多い事故です。
タバコの危険性・応急処置・家庭での注意点についてお話します。
【タバコの毒性】
1本のタバコには16~24mgのニコチンが含有されています。
乳幼児の致死量は10~20mgですから、タバコ1本に含まれるニコチンが致死量になります。
成人の致死量は40~60mgとされています。
乾いたタバコでは含まれているニコチンの全量が吸収される事はあまりないのですが、水に浸っていたタバコやその液にはニコチンが溶け出していて吸収されやすく、少量でも非常に危険です。
(つまり灰皿代わりに使ったジュースやビールの空き缶に残っていた液を飲んでしまうととても危険です)
【症状】
①
初期症状・・・
吐き気・嘔吐・下痢・頻脈・顔面蒼白・不機嫌
②
重篤症状・・・
痙攣・昏睡・流涎・発汗・脱力筋肉麻痺・不整脈・呼吸停止など
※
通常はタバコの不味さなどから口に入れても吐き出す場合が多いので重篤になる事は少ないと言われています。
【応急処置】
①
慌てずに湯冷まし、牛乳などを飲ませて吐かせます。ただし、乳幼児の場合、吐物を気管内に吸い込む事があるので、無理に行わずに受診するようにしましょう。
②
水に浸っていたタバコを食べたり、その液を飲んだ場合には、少量でも至急受診して下さい。
③
乾いたタバコを少量(乳幼児で2cm未満)食べた時や、食べた量の大部分を吐いた事が確認出来たら4時間注意深く観察し、顔色や吐き気などに異常がないか注意するようにしましょう。
④
タバコを誤飲した時は念の為に受診するようにしましょう。
⑤
体内に入ったニコチンは24時間経つと全て身体の外に出てしまいます。
【家庭内での注意事項】
①
妊娠が分かったら同居の家族は禁煙するようにしましょう。
②
禁煙が無理な場合は同じ部屋でタバコを吸うのは止めましょう。
③
子供がハイハイを始めたら、手の届きそうな所に吸殻などを置くのは止めましょう。
④
子供は普段見た事のない物に興味を示します。また、親の真似をしたりもしますので、子供の前ではタバコはなるべく見せないようにしましょう。
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