ほっとひと息 健康らんど

Vol.13 冬に多い子供の病気

1.ロタウィルス(乳児嘔吐下痢症)について
 今日は3歳の娘を持つ、ハルカちゃんのお父さんが相談にみえました。
 どのような事が気になりましたか?
 ハルカは保育園に通っているのですが、保育園で胃腸炎が流行っているので注意するように言われたそうです。具体的にはどのような事に注意したら良いのでしょうか?
 10月位から冬にかけて流行する子供の病気として感染性胃腸炎というものがあります。
 今日はその中でも代表的な「乳児嘔吐下痢症(ロタウィルス)」についてお話しましょう。

原因
ロタウィルスが原因で起きる。
ロタウィルスは約1週間便中に排泄される。
潜伏期間
1~3日。
感染経路
唾液や便の中のウィルスが経口感染や人を介して移る。
症状
下痢 水のような多量の下痢が持続する。(白っぽい米のとぎ汁のような便で真っ白というより、クリーム色)
嘔吐 激しい嘔吐が頻回に起きる。
発熱 38℃以上にならない場合が多い。
合併症
脱水 激しい下痢と嘔吐を繰り返す事により起こしやすい。
皮膚炎 激しい下痢の為、お尻がただれて起こる。
治療
対症療法 ウィルスが原因なので、特効薬はない。
下痢止めを服用するとウィルスがお腹から排泄されずに症状が長引く原因になる。

家庭で注意する事
下痢・嘔吐による、脱水を防ぐようにしましょう。
(※水分摂取の仕方については、第3回『発熱時の水分摂取の仕方』を参考にして下さい)
吐き気がある時は無理に食べさせるのは止めましょう。
下痢が激しく皮膚炎を起こしている場合は、お尻はぬるま湯で擦らないように洗いましょう。
ゴシゴシ洗うとただれがひどくなり、とても痛がります。
便の回数や量・色、飲水の量、排尿回数や量・色、嘔吐の回数や吐物の内容などを観察しましょう。脱水の目安として唇の乾燥や、皮膚の弾力性、目がくぼんでいる、元気がなくぐったりしている、などにも注意しましょう。
下痢が治まるまでは(1週間位で治まる)子供同士の接触を避けるようにしましょう。兄弟がいる場合は特に注意が必要です。
排泄物に分泌されたウィルスから感染しますので、同居している家族とは洗濯物は別に洗うようにしましょう。特にお尻や便を触った後は充分に手洗いをしましょう。
ウィルスは乾燥すると空気中に漂って経口感染を起こす原因になりますので、便や嘔吐物はビニール袋に入れて処分するようにしましょう。

病院受診はどのような時にしたら良いですか?

病院受診の目安
 嘔吐が激しく、下痢も持続していて水分も全く摂れない場合は脱水を起こす可能性が高いです。小さな子供は脱水で生命の危険を伴う事があるので、早急の受診が必要です。
 上記の④の観察ポイントを目安に脱水予防に努めながら、早めに脱水傾向に気付くようにしましょう。
特に乳幼児はすぐに脱水になりますので、早めの受診が必要です。
大人にも移りますか?

 移ります。症状は比較的軽くて済むと言われていますが、脱水に注意する事には変わりありません。特に高齢者が同居している場合は注意が必要です。
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