防犯 2023年11月15日

第391回 女性のための「不同意性交等罪」の知識

2023年7月、性犯罪に関する法律が変わりました。
「強制性交等罪」と「準強制性交等罪」を統合して「不同意性交等罪」に改称するとともに、罪が成立する8つの行為や状況が例示され、処罰要件が明確化されました。
同意のない性的行為は処罰の対象です。
同意がなければパートナーであっても犯罪に問われます。
女性も男性も被害者になる可能性があり、また加害者になる可能性もあります。

「不同意性交等罪」とは?

「暴力や脅迫」に加え、「アルコールや薬物の摂取」「睡眠や意識不明瞭」「恐怖」「立場による影響力」などにより「不同意の意思」を持つことができない、「不同意の意思」を伝えられない、「不同意の意思」をつらぬくことができない、といった状況下で性的行為をした場合、「不同意性交等罪」が成立します。

あわせて「強制わいせつ罪」も「不同意わいせつ罪」に改正されました。
「不同意性交等罪」と同様に、同意がなければ被害が成立します。

相手に同意の意思がなければ、たとえ夫婦やカップルでも罪に問われる可能性があります。
女性も男性も、被害者・加害者のどちらにもなる可能性があることを覚えておきましょう。

「不同意性交等罪」の被害者にならないためのポイント

相手とコミュニケーションをしっかりとり、その場の雰囲気に流されないようにして、「YES(同意)」「NO(不同意)」の意思をはっきり伝えましょう。

なかには、次のようなケースを一方的に「同意あり」と思い込んでしまう人もいますので注意が必要です。

・2人でデートに行くなら性的行為もOK
・キスをしたら性的行為もOK
・家に泊まるなら性的行為もOK
・相手が嫌だと言わなければ性的行為もOK
・一度同意を得たらその後の性的行為もOK

被害にあったあとで、「自分に落ち度があった」「同意していると思われても仕方がない」などと考える必要はありません。
「同意していないなら不同意」として認められ、不同意性交等罪が適用されることを覚えておきましょう。

もしも被害にあってしまったら

同意のない性的行為で自分自身が傷つけられたと感じるなら、事後であっても泣き寝入りしないことが大切です。
自分を守るためにも、さらなる被害者を生まないためにも、ひとりで悩まずに相談しましょう。
信頼できる友人や家族のほか、性犯罪・性暴力に対する専門の窓口もあります。

・性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891(はやくワンストップ)」
・性暴力に関するSNS相談「Cure time( https://curetime.jp/ )」
・性犯罪被害の相談電話(警察)「#8193(ハートさん)」

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相手との関係性や状況によっては、女性も加害者になる可能性があります。
相手の意思を尊重し、すてきなパートナーシップを築きたいですね。

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