 |
|
 |
|
新型インフルエンザは、昨年の5月に感染者数のピークがあって、夏にはいったん下火になりましたが、秋から年末にかけて、また増加傾向が見られました。そして、11月末には、患者数が累計で1千万人を超えることとなりました。
今回の新型インフルエンザでは、小児での症状が注目されることが多く、小児では、症状が急速に悪くなるといった通常の季節性インフルエンザとは異なる症状がみられました。
インフルエンザのなかには、治療薬の「オセルタミビル」
(商品名・「タミフル」)に効果がみられない「タミフル耐性ウイルス」も一部見つかってきています。これは、当初、人への感染率は低いとの報告がありましたが、今後、タミフルが効かないインフルエンザが流行する可能性は否定できません。
また、世間では新型インフルエンザ(H1N1型)ばかりに注目が集まっていますが、海外では、全身感染を引き起こす強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1型)も人への感染の報告が途絶えることがありません。将来的には日本にまで拡大する可能性もあります。
インフルエンザウイルスは常に変異を遂げており、決して予断を許せる状況ではなく、新しいインフルエンザウイルスに対して、引き続き警戒が必要といえるでしょう。
|
|
 |
|
残念ながら、昨年かかったからといって、今年かからないとは限りません。これは、インフルエンザウイルスが少しずつ変異しており、当初とは微妙に異なったものになっていくためです。毎年、インフルエンザワクチンの接種が必要なのはこのためです。
また、昨年、5月のピークより秋にかけて患者が多くなったのは、豚から発生した新型インフルエンザウイルスが、より人にかかりやすく変異を遂げたためです。しかし、一度かかれば、体内に抗体ができているので、症状は最初よりも軽くてすむと考えられます。
|
|
 |
|
新型インフルエンザの顕著な症状のひとつに高熱がありますが、今回の場合、熱が出ないことも多いのです。そのため、感染していても普通の風邪と思っていたり、感染していることすら気づかないこともあります。咳や頭痛など、気になる症状があったら、速やかに、かかりつけ医に相談してみることをおすすめします。
|
|
 |
|
まずは、普段からしっかりと睡眠をとって、バランスのよい食事を心がけ、十分な体力をつけておくこと。とくに持病のある方や妊婦の方、乳幼児は、重症化するリスクも高いので、日頃の体調管理をしっかりと行ってください。そして、不特定多数の人が集まる場所は極力、避けていただく。これも大事です。
新型、季節性を問わず、インフルエンザの感染ルートは、第一に飛沫感染、次に接触感染といわれています。日頃から予防対策として、外出時のマスク、こまめな手洗い、うがいといったようなことをされておくのも大切です。
もしもかかってしまったら、マスクをする。完治するまで、会社や学校を休む。感染を広げないためには「移らない」「移さない」といった、私たち一人ひとりのモラルも大切です。
|
|
|
【監修】セコム医療システム(株)薬剤サービス部担当課長 セコム薬局 黒岩泰代
|
|