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メキシコで確認された豚インフルエンザは、新型インフルエンザとして、世界的に感染が広がり脅威となりました。通常のインフルエンザが流行する秋から冬にかけては、新型インフルエンザに対しても更に、警戒が必要と言われています。今回は、新型インフルエンザ対策の基本とも言える、手洗い・うがい・マスクの着用の正しい方法をご紹介します。 |
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新型インフルエンザとは、従来、人に感染しなかったウィルスが人から人に感染しやすいように変異して発生するものを指します。
今回の新型インフルエンザは、もともとA型インフルエンザウィルスによる豚の呼吸器疾患で、通常、人には感染をしないものでした。今回は、この豚インフルエンザが変異をして人から人へ感染をするようになったものです。
現在のところ弱毒性と言われ、主な症状は季節性インフルエンザとほぼ同じですが、重症度についてはWHO(世界保健機構)は、「軽度ではなく中等度」であると警戒を訴えています。
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海外ではメキシコをはじめ、アメリカやカナダ、フランス、スペインなど、広い地域に広がり、感染者が出ました。
世界的に見ると、新型インフルエンザの新しい感染者は増え続けています。これから冬を迎える南半球では、すでに感染が広まっています。
日本国内での感染が初めて確認されたのは、5月9日、海外渡航者の中からでした。5月16日には、海外渡航歴のない人の感染も確認され、感染者は増えていますが、迅速な初期対応で、重症化例は見られていません。
そして今、秋から冬にかけて通常のインフルエンザが流行する時期に備え、学校・企業など組織はもちろん、個人レベルでの新型インフルエンザ対策が重要視されています。
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カゼやインフルエンザなどの感染ルートは主に3つあります。
① |
飛沫感染 |
咳、くしゃみによる唾液などが口や目の粘膜から入り感染 |
② |
接触感染 |
咳・くしゃみをする際に口を覆った手でドアノブなどの共有部分を触り、それをまた別の人が触ることで感染 |
③ |
空気感染 |
空中にエアゾールとなった病原体の微粒子が浮遊して感染 |
新型インフルエンザの場合は、飛沫感染が中心となってうつると考えられています。感染しないためには、まずマスクといった対策備品を考えますが、それ以前に下記の「基本行動」が必要です。
① |
可能な限り人ごみを避ける |
② |
人との間隔を2m以上あける |
③ |
咳エチケットを心がける |
④ |
正しい情報を習得する |
この「基本行動」を守ることでマスクや手洗いなどのより高い効果を得ることができます。
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◎ |
帰宅時や咳、くしゃみをしたり、ドアノブなどの共有部分を触ったあと、飲食の前に必ず行う。 |
◎ |
手のひら、指の間も含め15~20秒間、しっかり洗い、よくすすぎ、きちんと乾かす。 |
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◎ |
起床時や帰宅時、人との面談後などに行う。 |
◎ |
口の中やのどを洗浄し、ウィルスや細菌などを取り除き、ウィルスの活性化を阻止する。 |
◎ |
のどを適度に刺激して血行を促進し、潤いを保つ。 |
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◎ |
人ごみや通勤時は、必ずマスクを着用する。 |
◎ |
感染した患者さんと密に接触する可能性がある場合を除き、一般的には不織布マスク(サージカルマスク)が推奨されています。
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新型インフルエンザのウィルスの発生は、季節に左右されません。
日本では気温が低く、乾燥している冬のほうが流行しやすいと言われていますが、梅雨の時期でも感染が広がった例もありますので、夏でも油断は大敵です。
今後、このインフルエンザが主なインフルエンザとなるのか、季節性インフルエンザと混在するのか、またはほかのウィルスと混合して病原性が高くなるのか、などさまざまな可能性が考えられます。
新型インフルエンザの流行は1年~1年半の間に2~3回の大きな波が来ると言われています。第2波に備え、日頃から正しい予防方法を身につけ、予防備品の他、日用品や食品を準備しておくことが必要です。
またいざという時の連絡先である各自治体の「発熱相談センター」を調べておくと便利です。
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【監修】セコム医療システム(株)薬剤サービス部担当課長 セコム薬局 黒岩泰代
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