ほっとひと息 健康らんど

Vol.30 IT機器と健康障害

IT眼症
 今回は、IT眼症について一緒に勉強したいと思います。
よろしくお願い致します。
 ITという言葉を良く耳にするようになりましたが、IT眼症は、どのような病気なのでしょうか。
そうですね。
 ITとは情報技術のことですが、ITを応用したパソコン・携帯電話・ゲーム機等をIT機器と言います。
IT眼症は、このIT機器を長時間使用することによって生じる眼の病気です。眼の異常が誘因となり、全身の症状を起こす場合もあります。
 家庭ではパソコンを使用しますし、携帯電話でメールをすることもあります。家族でテレビを見たり、子供はテレビゲーム等で遊ぶ機会も多いのですが、病気とどのような関連があるのでしょうか。
パソコンを使う場合は、ディスプレイを見ることや、ディスプレイ・キーボード・書類間を見ることにより、視線の移動が多くなり、眼精疲労の症状が現れます。
 また、瞬きが減ることや、視線が上向きになることで、ドライアイの症状が現れます。
 子供の場合、テレビゲームの画面に集中すると、1分以上も瞬きをしないことがあると言われます。
 瞬きの回数はあまり意識したことがないのですが、普段はどの位の回数なのでしょうか。
瞬きの回数
 平常時・・・約3秒に1回 (1分間に約15~20回)
 読書時・・・約6秒に1回 
 パソコン使用時・・・約12秒に1回
 
このように、パソコン使用時は瞬きの回数が減ります。
 では、IT眼症の場合、具体的にどのような症状が現れるのか教えて下さい。
 以下のような症状が現れますので、眼を酷使する機会が多い場合は、ただの疲れ眼だと思わず、IT眼症を疑ってみましょう。
<IT眼症の症状>
① 眼の症状
  乾燥、眼の痛み、充血、熱感、眼がかすむ、複視、眼が疲れる、眩しい、うるむ等。
② 身体症状
  頭痛、眩暈、吐き気、首・肩・背中・腰の凝りや痛み、手の痺れ等。
③ 精神神経症状
  不安、イライラ、虚脱感、不定愁訴等。
 眼の異常だけでなく、進行すると全身の症状が現れることもあるのですね。
 このような症状に気付いた場合、どのようにすれば良いのでしょうか。
<IT眼症の対策・予防>
① 休息を取る
  一連続作業は1時間以内とし、次の連続作業迄の間に10~15分程度の休憩を取ることを推奨。(厚生労働省のガイドライン)
  休業時間に、遠くの景色を眺める、眼を閉じる、身体のストレッチ体操等をすると良い。
② 適切な作業環境
  室温17~28℃ 湿度40~70%で、エアコン等の風が直接当たらないようにする。
  太陽光線が画面に当たらないようにブラインドやカーテンで調節する。
  光源は作業者の視野に入らないようにする。
  見やすい明るさとし、室内と手元の明るさの差はなるべく小さくする。
  画面に照明器具や窓等が映り込まないようにする。
  画面上は500ルクス以下、書類・キーボード面は300ルクス以上。
  プリンター等の不快音は防止する。
③ 作業姿勢
  モニター画面は、眼から40~50cmの距離を保つ。
  画面の上端が眼の高さと同じか、視線がやや下向きになる高さとする。
  机の高さが臍の位置にくるように、椅子の高さを調節する。
  安定性のある椅子に姿勢正しく深く座り、足の裏全体が床につくようにする。
④ 子供のIT眼症の予防方法
  IT機器使用は最長1時間以内にする。
  IT機器から50cm以上離れる。
  親がIT機器以外にも興味を持たせる。
⑤ 気になる場合は、眼科受診する
 現在、IT機器はなくてはならない物となっています。今後IT機器と上手に付き合いながら、健康な眼を維持する為に、参考になればと思います。
 
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