ほっとひと息 健康らんど

Vol.19 小児メタボリック症候群

2.予防接種②
 麻疹(はしか)が、今年大流行しましたよね。
また流行る事も考えたら早めにワクチン接種をした方が良いのではないかと思うのですが、12ヶ月より前に接種する事は出来ないのでしょうか?
 12ヶ月未満では罹る事はないのですか?

 生後6ヶ月位より、母親からの移行抗体が減ってくる為に、麻疹に罹る事もあります。
 生後12ヶ月以前は、母親からの移行抗体の影響で、ワクチン効果が充分に発揮されていないおそれがある為、ワクチン接種は任意とされ有料となります。
 生後4~6ヶ月で移行抗体はほぼ消失し、6ヶ月を過ぎても抗体が検出される事は稀である事から、通常9ヶ月から接種が可能です。
 日本では、麻疹患者の約40%は0~1歳です。ワクチン接種に関しては、家庭内や周囲、保育園などの流行状況、罹患した人との接触などを考え、医師にご相談下さい。
 12ヶ月以前に接種した際には、移行抗体の影響で効果が上がらなかった可能性を考慮し、12ヶ月以降に定期接種として再度接種を実施する事が望ましいでしょう。

 麻疹ワクチン接種後に発熱した場合、市販の解熱剤を使用した方が良いのでしょうか?

 発熱した場合は医師に相談し、指示を受けて下さい。
 市販の解熱剤は使用しないようにして下さい。
 接種後1~2週間後位から発熱や発疹など軽い麻疹に似た症状がみられる事がありますが、通常は1~2日で消えます。

 最近、近所でおたふく(流行性耳下腺炎)に罹った子供がいました。
 生後1ヶ月ですが、移る可能性はありますか?

 お母さんが免疫を持っているようでしたら(罹患歴があるかワクチンを接種している)、お子さんにはまだ移行抗体が残っていますので、今回は罹らないと思います。
 お母さんに免疫がない場合は、お母さんともども罹患する可能性があると思います。

 私は抗体を持っていますので、では大丈夫ですね。
 おたふくは任意接種ですが、大人になって罹ると不妊症の原因になると聞いたので、やはり接種した方が良いですよね?

 成人になってからのおたふくは、症状が強く出る為に接種が勧められています。
 それに成人になってから、おたふくに罹ったとしても、睾丸炎を予防する方法はありません。
 思春期以降の男性では25%で睾丸炎が起こると言われています。精子を作る働きは失われてしまいますが、睾丸炎は通常片側にしか起きず、精子を作る能力が完全になくなる事は稀です。男性不妊の原因として言われているほど、おたふくでの頻度はありません。

 予防接種に関してのご相談を良く頂きます。今回挙げたのは、ほんの一例です。
 ご自身が疑問に思われた事例はありましたか?
 また、次の機会に第二弾をお話しますね。

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