SECOM Nurse's eye

敬老の日に見ておきたい
親の“ちょっとした変化”
チェックポイント

2026.09.30

9月の敬老の日は、親へ感謝を伝えるだけでなく、「今の様子」を知るよい機会でもあります。

介護というとまだ先の話に感じる方も多いかもしれません。しかし実際には、介護が始まる前の「プレ介護期」から、通院の付き添いや家電の操作のサポート、定期的な安否確認など、家族による支援は少しずつ始まっています。

ダイヤ高齢社会研究財団の調査によると、現在は介護をしていないものの、将来的に家族の介護を担う可能性がある「ケアラー予備群」が多く存在しています。また、親の健康状態への不安としては「体力の低下」が最も多く、次いで「物忘れなど認知機能の低下」が挙げられています。

目次

身体機能の変化

まず注目したいのが、身体機能の変化です。

  • テレビの音量が以前より大きくなった
  • 歩く速度が以前より遅くなった
  • 階段やわずかな坂道でも避けるようになった
  • 重い物を持ちたがらなくなった

これらは加齢に伴う自然な変化の場合もありますが、筋力や体力の低下が進んでいるサインかもしれません。
体力低下は高齢者本人だけでなく、離れて暮らす子世代が最も心配する項目でもあります。

認知機能の変化

次に気になるのが認知機能です。
例えば、

  • 同じ話を何度もする
  • 約束や予定を忘れる
  • 探し物が増えた
  • 薬の飲み忘れがある

といった変化が見られることがあります。
ただし、「食事の内容を忘れる」のは加齢による物忘れでもよくあることですが、「食事をしたこと自体を忘れる」場合は、認知機能の低下が疑われることもあります。気になる変化が続く場合は、早めにかかりつけ医や地域包括支援センターへ相談することが大切です。

生活の変化

日常生活にもサインは現れます。

  • 外出の頻度が減った
  • 家の中が以前より散らかっている
  • 趣味をやめてしまった
  • 冷蔵庫に同じ食品がたくさん入っている、棚に同じものがいくつも買い置きされている
  • 服薬状況を把握できていない
  • スマートフォンや家電の操作に困ることが増えた

外出機会の減少は体力や認知機能の低下だけでなく、社会的な孤立にもつながります。
また、最近ではスマートフォンや各種手続きへの対応が負担になっている高齢者も少なくありません。

気になる変化があったら

大切なのは、変化を見つけてもすぐに「介護が必要だ」と決めつけないことです。
まずは、

  • 最近困っていることはないか
  • 通院や服薬は問題ないか
  • 普段どのように過ごしているか

を自然な会話の中で聞いてみましょう。
介護は突然始まるように見えて、実際には小さな変化の積み重ねから始まります。
就労者の約2割が介護経験を持ち、介護期間が5年以上に及ぶケースも3割を超えています。

心の変化にも目を向ける

親の変化に気づいたときには、身体機能や認知機能だけではなく、心の変化にも想像力を働かせてみましょう。
親世代は、仕事や家庭での役割、体力や健康、人とのつながりなど、さまざまな喪失を経験しながら年齢を重ねています。
そのため、老いを認めたくない気持ちや不安、焦り、寂しさを抱えていることも少なくありません。
これを思春期になぞらえて「思秋期」と呼ばれることもあり、気難しくなったり感情が不安定になったりするのも、自然な反応のひとつと言えるでしょう。

子どもの善意による声掛けや手助けが、本人には「できなくなったことを指摘された」と感じられる場合もあります。
身体機能や認知機能の変化が見られたときには、その背景にある気持ちにも目を向けてみてください。
相手の想いに寄り添うことで、尊厳を意識した声がけや、より良い関わり方につながるでしょう。

離れて暮らす親の見守りの選択

普段、親と顔を合わせる機会が少ないと親の変化に気づきにくい場合があります。
だからこそ、定期的な電話やビデオ通話(テレビ電話)、見守りサービスなどを活用し、無理なく状況を把握できる環境を整えておくことが重要です。
また、親御さまのご近所の方やご友人とのつながりを把握し、機会があれば日頃からご挨拶をしておくことも大切です。
近隣の方や友人と自分の信頼関係が出来ていれば、いざというときに親の様子を教えてもらえたり、助けていただくことも可能です。

敬老の日は、親の老いを心配する日ではなく、これからも安心して暮らしてもらうための第一歩を踏み出す日です。
今年はぜひ、親の“今”に少しだけ目を向けてみてはいかがでしょうか。

セコムがお手伝いできることがあります

セコムでは、親御さまの健康についてのご相談もお受けしています。
安心して日常を過ごすための身近な相談先の一つとして、ほっと健康ラインをぜひご活用ください。

参考文献
ダイヤ高齢社会研究財団の調査「仕事と介護の両立支援に関する研究」
内閣府「令和6年版 高齢社会白書」(高齢化の進展や高齢者世帯の現状)
総務省行政評価局「一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査 結果報告書」(2023年)
東実千代・佐々尚美・久保博子「高齢者の生活見守りサービス・技術に関する意識調査」(日本家政学会研究発表要旨集、2024年

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