健康予防医療コラム ~その他~

あまちゃん?

~自分の甘えに気づける人~

 「甘いもの」はお好きですか? 午後のひととき、お茶を飲みながらちょっと甘いものを食べるとほっとしますね。最近は「スイーツ」と言う言葉も使われますね。英語でもお菓子は文字通り「甘い」という意味です。甘いという言葉は食べ物以外でも日常よく使われます。例えば、「あの人の考えは甘いよ」「甘い生活」「甘えてはいけないよ」「甘く見てかかっている」「甘い言葉に注意しましょう」「まだまだ君は甘いよ」などなど。そんな風にいろいろな表現を使われます。赤ちゃんが母親に甘える姿は愛らしいですが、大人になっても周りの人に頼りきって自分でやるべきことをせずに甘えている姿は嫌われますね。人は甘えによって安心し、こころを癒されて親しい関係を感じます。「甘えられない人」が他人で「甘えられる人」が身内ということもいえるかもしれません。とはいっても、「親しき仲にも礼儀あり」と身内に言われることもあります。
  
 では、甘えることはいいことなのでしょうか?それともいけないことなのでしょうか? 甘えられる関係は「親しさ」を前提としている関係ですから、どちらかが「親しさを感じていない」関係では、「甘えるんじゃないよ」と不快感や、時には怒りを感じることもあります。つまり、「甘え」が良いか悪いかの意味は、その関係性次第だということになります。甘える気持ちが出てきたときに、関係をよく見ないと人間関係がうまくいかなくなるということです。甘えは「相手に○○してもらう」という形をとることが多いですね。「優しくしてもらう」「代わりにやってもらう」「慰めてもらう」「愚痴を聞いてもらう」という具合です。でも、甘えが本人にみえないこともあります。「〜してもらう」ということを本人は「すべきことである」と感じているときなどです。妻に偉そうにする夫などがそうです。「ちゃんと部屋ぐらい掃除しておけよ」というご主人は「すべきこと」と感じていて「〜してもらう」という意識がないので甘えに気づきません。こんな感じですので、甘えが見える関係性をこころがけていると、相手と自分の関係もうまくいくような気がしませんか。それには、自分の中にある「〜してもらいたい」という欲求を見つめる必要があります。「それぐらいするのが常識だろう」→「そうしてもらえるとありがたい」、「そんなこともできないのか」→「無理言って悪いけどしてくれますか」という風にです。自分の甘えに気づける人こそ「自立した大人」なのかもしれませんね。
  

監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2017年05月01日

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