健康予防医療コラム ~その他~

チームワーク

~メンバーの相互信頼と協力による力~

 スポーツの試合の後、テレビに団体競技の選手たちが登場することがありますね。駅伝チーム、バレーボール、サッカー、フィギュアスケートなどのそれぞれの選手たちがカメラの前で語る姿、そして表情はさまざまです。番組の中では選手たちが監督のモノマネ、選手たちのマイブーム、一発芸などが披露されて、試合の時の勝負にかける真剣な顔しか見ていない私たちに、意外な素顔を見せてくれます。「仲がいいチームだなぁ」「なんだか緊張した雰囲気のチームだな」と言う、チームの持っている空気のようなものです。テレビの前で見せている姿がそのチームの本当の日常のものかどうかはわかりませんが、仲の良いチームだなと思うと、うれしくなります。
  
 ところで、仲の良さがそのままチームワークなのでしょうか、チームワークの1つの要素なのでしょうか。「学生時代は仲よかった友達だけれど、仕事で組むとうまく行かなかった」「パーティーで知り合って意気投合して一緒にビジネスを始めたらとんでもない人だった」という話を聞いたことがあります。飲み会や雑談ではわからないその人の「仕事の進め方」「協力関係の取り方」などが見えたのだと思います。職場でも家庭でも共通の目標に向かって人が何かをすすめるとき、チームができます。そしてチームワークが必要です。メンバーの目標が違う方向に向いてしまって、相互に個性を活かす関係性がとれず、感情的ぶつかりがおこると、チームは混乱して前に進む力にブレーキがかかってきます。時には、チームが崩壊してしまいます。ですから、メンバーの持つ能力を1とした場合、十分にチームが機能していると1+1は3にも5にも、時には10にもなるけれど、機能しない時には、1+1は1にもならないのです。そこがチームの素晴らしさであり、恐ろしさだと思います。
  
 チームワーク、それは「メンバーの相互信頼と協力による力」によって生み出される空気そのものかもしれませんね。そのチームが機能しているとき、作業が順調に進むだけではなく、人と人との絆を感じられる暖かさも感じることができます。今あなたは、どんなチームのメンバーになっていますか?そして、そこで信頼と尊重の喜びを感じていますか?一人ひとりがチームワークの意識を持った時、心の絆が温かく感じられるとしたら、難しい作業も絆を深める大切な機会になりますね。さあ、今日も一日メンバーとともにがんばりましょう。
  

監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2016年09月01日

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