健康予防医療コラム ~その他~
進化するルーティーン
ルーティーンという言葉にどんなイメージがありますか?ルーティーンと言われてわくわくする人とうんざりする人といると思います。日本ラグビーの五郎丸選手がゴールキックするときに、あるポーズをとることがルーティーンとして日本中で話題になりました。若い人や子供は「ルーティーン」という言葉を聞いてわくわくする人が多いかもしれません。しかし、昭和生まれの人がまず想像するのは「ルーチンワーク」つまり「決まりきった作業」かもしれません。単純作業にうんざりした経験のある人には、楽しい言葉ではないですね。しかし、どちらの語源も同じです。「決まりきったことを行うこと」がルーティーンです。日常生活で、そして仕事で、繰り返し同じ作業しなければならないことが多いですね。生活の作業にしても事務作業にしても、同じ作業繰り返して生活を維持するということは必要です。ですから、ルーティーンは生活にとってそして仕事にとってとても大事なことです。
大リーグのイチロー選手はバッターボックスに立つと、ユニフォームの袖をちょっとつまんで、バットをぐるりとゆっくり回すなど、決まった同じ動きをします。フィギュアスケートの羽生結弦選手も胸に手を当てて演技に臨みます。スポーツ選手がいざ試合を始めるとき、そして重要な場面で心身を整える作業、それがルーティーンです。私たちの生活には、年中行事のしきたりやおまじないなどがあります。これらもルーティーンかもしれません。年中行事やあいさつの仕方、儀式のときの衣装などによって季節や人生の節目節目を感じ、また将来の幸福を願って行われるルーティーンに私達の生活は支えられていると言っても良いかもしれません。
新しいことに挑戦して新しいスタイルを生み出すこと、それはそれでとても大切なことです。マンネリに甘んじていては進歩はありません。変化を求めること、新しいやり方、新しいスタイル、それと同じぐらいルーティーンがわれわれの生活を支えてくれています。そして、自分なりのルーティーンをもっています。夜寝る前にしているルーティーン。出かける前にしているルーティーン。そして、勝負ネクタイ、勝負服、それもルーティーンかもしれません。もしかしたら、新たなルーティーンも生まれるかもしれません。決まりきったルーティーンも人生の変化の中で、新たに必要となるルーティーンも生まれるでしょう。そうです。ルーティーンも少しずつ進化することがあるんですね。
監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2016年02月01日