健康予防医療コラム ~その他~

小さな我慢、大きな不満

~コミュニケーションで永くよい関係性を~

 人と人とがうまくやっていくためには、仕事にしても家庭生活にしてもコミュニケーションが大切ですね。自分の思っていることが誤解されてしまったり、相手の癖が気になったときなど、コミュニケーションで解決することができます。そのままにしておくと、誤解が誤解を生んだり、ストレスが大きくなってやっていけなくなってしまいます。
 「この程度のことだから我慢しよう」「悪気がないのはわかるから…」「疲れていて苛立っているから大目に見よう」というのは、思いやりでもありますし、優しさでもあります。しかし、その「小さな我慢」が相手にわかっているとはかぎりません。こちらとしては、いつも少しずつ譲っているのに相手にとっては当たり前となっている関係が続く、いつか限界がやってきます。その時点で「もう我慢できません!」といっても、相手は「なんのこと??」とポカンとした反応を見せてくると、余計頭に来ますね。
  
 ですから、「あれ?」「どうして?」という疑問や小さな引っかかりがあった場合、「自分はこう感じたんだけど、どういう意味だったの?」と、相手に尋ねて本人の意図や思いを確かめる必要がありますね。しかし、相手が目上の人だったり、不機嫌だったり、苦手なタイプの人だと尋ねにくくて、つい我慢しがちです。それが積もり積もって、愚痴となって「ねえ、ねえ、聴いてよ!」と話しやすい人に文句が行くことになります。職場だけではありません。夫婦関係、家族関係でもこのようなことはよく耳にします。
  
 では、何処まで我慢したらよいのか? たとえば不機嫌な相手があたってきたときに、「今回は大目に見るよ」「疲れているのわかるから八つ当たりは許してあげる」と、言葉で相手に言ってしまうと、恩に着せているように聞こえてしまいます。でも黙っていると、相手は延々とイライラをぶつけてくるし…むずかしいですね。感情的になっている人はなかなか相手の言葉が入ってきません。  ですから、興奮している相手については、その場ではある程度受け入れつつ、落ち着いてきたところで、「辛いのわかるけど、今日はこれくらいにしてお茶でも飲まない?」と切り上げるきっかけを作ってあげてみれはどうでしょうか。
 うまくいくときも行かないときもありますが、ただ、我慢するだけが優しさでは無いと思います。なぜなら、お互いの理解とコミュニケーションがストレスの少ない、永くよい関係性を保つために大切だからです。
  

監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2014年06月01日

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