健康予防医療コラム ~その他~
パワーの源
「ファイト…!」「元気…!」というドリンク剤や健康食品のCMのキャッチフレーズを聴くと、「そうだな、こういうもの飲んでシャキッと元気になりたいな」と思う人も多いのではないでしょうか。日々の仕事や勉強で疲れ気味の人にはアピールするコマーシャルですね。また、薬ではありませんが、その場所に行くとパワーがもらえるという「パワースポット」に行って「パワーをもらおう」という人も多くなってきました。パワースポット巡りは人気のパッケージツアーです。山であったり、森であったり、神社であったり、歴史的史跡であったりしますが、その場に行くことでパワーがもらえて、幸福になれるのなら素敵ですね。健康状態が良くて運命にも恵まれていたら幸せでしょうから、「健康食品食べながらパワースポット巡り…」という人もいるかもしれません。
ところであなたの「パワーの源」はなんでしょうか? スタミナのある料理を食べること、趣味のスポーツを楽しむこと、大好きな歌を熱唱すること、温泉に入ること、ペットと遊ぶこと…など、いろいろあるかと思います。リラックスできる疲労回復の方法であったり、逆に肉体的には疲れることであっても、精神的にリフレッシュしたり、達成感があることでパワーをもらえることもあるでしょう。友人とのおしゃべりがパワーの源だという人もいます。
ある調査によると、ストレス解消法の第一位が「会話」ということでした。身近な人との会話がストレス解消になるという人が多いとうことです。要するに、雑談することで元気になると言うことですから、これもパワーの源ですね。雑談では自分が感じたこと、思ったことを相手に聴いてもらったり、相手の感じた世界を見せてもらったりするキャッチボールをします。そこで行われるのは、コミュニケーションによる自己確認です。人と話すことによって、自分の感じたこと、経験したことなどを確認しているのです。相手が「そうだね」「わかるよ」といってくれると、それが辛いことであっても嬉しいことであっても、わかってもらうことで満足するというのが人間です。自分という人間の存在が確かめられ、そして共感してもらえることで、生きている実感、一人ではないという温かさも感じます。そしてさらに明日もがんばろうと思えたら、その瞬間を共有する場が、自分にとってのパワースポットと言えるかもしれないですね。
監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2013年09月01日