健康予防医療コラム ~その他~
思い込み
「ここにおいてあったはずなのに?」と捜し物をしていて、どうしても見つからないときに、全く考えてもみなかったところから見つかることがあります。
「きっと大変なことになるに違いない」と不安になっていたら、「あの件は解決したよ」と人から聞かされて拍子抜けすることがあります。
人と人との関係でも、雑談をしていても、「あの人なら冗談わかってくれるな」という、暗黙のパターンがあるから、気軽に冗談を言ったりしています。テレビの時代劇や刑事ドラマも、緊迫したシーンの後のエンディングでは、ちょっと笑いを誘うようなほのぼのしたシーンがおきまりとして、必ずありますね。
ですから、生活スタイルでもドラマでも人の言動でも「こうなるに違いない」「ここにあるに違いない」「こんなことは起こりえない」というような、さまざまな「思い込み」を誰もが持って生活しています。そして、その思い込みを超えた出来事が起こると、「想定外」「意外」ということになります。
思い込みは先入観と言われることもあります。いつもトンカツにソースをかけている人が、醤油をかけて食べてみたらおいしかったとか、怖い人だと思い込んでいて避けていた職場の人に話しかけてみたら、意外と楽しかったというような体験をすると、先入観や偏見を持ってはいけないと思うのですが、どうしても人は「思い込み」から逃れることができません。
また、よい意味での「思い込み」からは、安心感をもらえます。「この人なら信頼できる」「きっとうまくいく」「ここにいればホッとできる」というように、まだ見ぬ未来に対して不安を持たないでいることができます。
「えっ、予想外だった!」と思ったとき、思い込みから解放されて、新たな視点が開けます。新鮮な目でものをみることができるからです。思い込みで惑わされることもありますが、よい意味での思い込みには私たちは随分助けられています。
そして、想定外のときには、「思い込みから解放された」という気持ちで、その新鮮さを味わっていきましょう。
監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2017年05月01日