健康予防医療コラム ~その他~
味方がいるということ
職場の会議などで意見を発表したとき、「私もその意見に賛成です」という人がいると嬉しいですね。意見を評価してくれたりすると心強いものです。
自分の考え方や行動が間違ってはいないと信じていても、周りが全員反対、その場で誰もわかってくれないという雰囲気の中で自己主張し続けるのは、よほどの信念、覚悟が必要ではないでしょうか。新しい企画や製品についてはじめから絶対的な信念を持っている人は少ないとおもいます。多くの場合は、「うまく説明できないけれど、このプランがいいような気がする」という感じでしょう。そして誰からも賛同を得られないとなると、「自分は間違っているのかな?」と不安になります。しかし、一人でも自分の味方が登場するとかなり心強くなります。「よくわからないけれど、私も○○を試してみてもよいと思います」という意見を言ってくれる人がいると、もう少し頑張って自分の意見を主張してみようかなという気になります。
一方、明らかに自分のミスや不手際などにより、人に迷惑をかけてしまったとき、いくら謝罪しても関係者の怒りがおさまらないときがあります。そんなときに、「確かにミスはミスだけど、君がいつも仕事に真剣に取り組んでいるところはちゃんと僕はみているから。きっと皆もいつかわかってくれるよ」と励まされると、うれしくて涙が出てきてしまうかもしれません。追い詰められて、そして自分でも失敗したと思っているときには、とても心細く、不安になります。そんなときに、自分を応援してくれる人、励ましてくれる人の心は、元気なときには、考えられないくらい心にしみいるものです。
ちょうどのどが渇いた時には、一杯の水道水でもおいしく感じるように、味方のありがたさは、本当に味方が必要なときにわかるのかもしれませんね。
自分では何気なく言っている一言でも、人を認め、共感し、応援する言葉は人の心を支えます。お金よりも豪華な食事よりもなによりも、まずは心のこもった応援メッセージが人を元気にしてくれます。
「いつも味方だよ」という一言でほっとすることで、その人のストレスも孤独も緊張もかなり改善します。人を助けるということをあまり難しく考えず、「味方がいるから大丈夫」というメッセージで安心感の人間関係を作ってあげてみてはいかがでしょうか。きっと温かい関係性が生まれるとおもいます。
監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2011年04月04日