健康予防医療コラム ~がん~

がんと栄養素

抗酸化物質で免疫力アップ!!

 アメリカでは1996年以降、がんの発生率が低下しているという報告がありましたが、これはアメリカ人の食生活の変化によるものであると考えられています。また、がんの予防の観点から抗酸化物質の摂取が推奨されているという背景もあります。
 抗酸化の主役はSOD(スーパー・オキサイド・ジスムターゼ)という物質で、3種類あって体内で合成されますが、SODが細胞膜の中で抗酸化物質として働く際には、その補酵素としてセレニウムが不可欠です。
 β‐カロチンはビタミンAの前駆体としてよりも最近ではその抗酸化作用が注目され、ビタミンCは細胞のがん化を阻止し、強力な発癌物質ニトロソアミンの発生を抑える働きも持っています。ビタミンEは細胞膜を保護し、抗酸化物質としても有効でビタミンCによって還元されるため、この2つは共に摂取すると効果的です。また、野菜や果物に含まれるポリフェノールなどの植物化学物質にも優れた抗酸化作用があるため、食事の中に植物性食品が占める割合を高くすることも、がんの予防につながると考えられます。

監修:古田 裕子 先生
掲載日:2004年12月15日

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