健康予防医療コラム ~がん~
「乳がん細胞を増やすたんぱく質の発見」
乳がん細胞を増殖させるたんぱく質「Efp」が発見されました。
東大と埼玉医大の研究グループがマウスの実験で、「Efp」(エストロゲン応答性フィンガーたんぱく質)の働きを抑えることによって乳がんの進行も抑えることに成功しました。この成果は、イギリスの科学紙「ネイチャー」に掲載されました。(2002.6.20)
乳がんは女性ホルモンである「エストロゲン」の過剰分泌が原因とされており、治療では手術療法やエストロゲンを抑えるホルモン療法がおこなわれています。しかし、がんの末期になると効果が望めませんでした。研究グループはエストロゲンに反応する「Efp」を発見し、マウスでその働きを調べた結果、乳がん細胞の増殖に関与していることを発見し、乳がんの新しい治療法として期待されています。
一方、日本での乳がん患者は増加の一途をたどり、平成14年の乳がん死亡数は約9,600人で、胃がん、大腸がん、肝臓がん、肺がんに次いで死亡率が高くなっています。平成14年度の人口動態調査によると、乳がんの死亡率順位は、トップが山口県、次いで東京都、長崎県、北海道と続きます。治療も大切ですが、やはり早期発見が第一です。手遅れにならない為にも定期的な自己による触診と、マンモグラフィーなどの乳がん検診を受けることをお勧めします。詳細情報は、医療情報サテライト「Vol.1 乳がんについて」をごらんください。
監修:村井 保健師
掲載日:2004年05月15日