健康予防医療コラム ~がん~
20年後のがん患者数
世界保健機関(WHO)は、世界の新規がん患者は2000年に約1000万人だったが、20年後には50%増えて約1500万人に達すると発表しました。
WHOの「世界がん報告」によると、このがん患者数の増加の原因は、高齢化の推進と喫煙率の増加が主な原因であるとしています。報告によると、2000年の世界の死亡者は推定5600万人であったが、その12%はがんが原因でした。2000年に新たにがんになった人は、男性が約530万人、女性は約470万人でした。新規がん患者のうち、最も多いのは「肺がん」で約120万人、続いて「乳がん」が約100万人、次いで「直腸がん」が約94万人でした。
この報告では、がんの発生は高齢化と喫煙率の増加だけではなく、運動不足もがんの発生につながると指摘しています。がん患者増加の歯止めとしての対策は、まず、国家レベルでがんを早期発見するための診断システム確立に努めること、禁煙教育などを通じてたばこの消費量を削減すること、果物や野菜を1日に合計500g以上摂取することなどを勧告しています。
これらのことは、現在、生活習慣病の予防と改善のための方法として、日本でも既に提唱され奨励されていることばかりです。まず、禁煙して果物や野菜を十分に食べて、定期的に運動をするなどを念頭に、毎日の生活を送るのが賢明です。
監修:斎藤 保健師
掲載日:2003年12月01日