健康予防医療コラム ~循環器~
納豆パワーで血液をサラサラに
納豆は日本の代表的な健康食ですが、ナットウキナーゼという酵素は血液が固まるのを防ぐ働きがあり、結果として動脈硬化などを予防します。
納豆は江戸時代から今に至るまでその製法がほとんど変わらず、昔は風邪や下痢などの薬として使われていました。倉敷芸術科学大学の須見洋行教授は、1982年にナットウキナーゼを発見して以来「納豆博士」と呼ばれており、納豆の効用をわかりやすく広めています。ナットウキナーゼという酵素は、血液が固まるのを防ぐとともに、血栓を溶かすウロキナーゼを活性化する働きが非常にすぐれていて、世界的にも注目されています。また、骨を強くするビタミンKを作りカルシウムやミネラルの吸収を助けてくれます。さらに、強い抗酸化物質であるビタミンE、イソフラボンを含むなどいいことずくめの食品です。
納豆の効果的な食べ方ですが、まず、大切なのは「なるべく加熱しないで食べる」ことです。ナットウキナーゼは70℃を境に破壊されてしまいますので、熱を加えないでそのまま良くかき混ぜて粘り気が十分にでたら食べましょう。さらに、発酵が進むほどナットウキナーゼもビタミンKも増えますから、冷蔵庫で熟成させるのもいいでしょう。そして、とにかく、毎日1パックを食べることです。ナットウキナーゼは体内で、約4時間〜12時間は働き続けます。独特な臭いがどうも苦手という人は、お茶の粉末、さくらえび、たまねぎ、ねぎ、青海苔などを混ぜてみてください。ただし、血液を固めるワーファリンという薬を飲んでいる場合は、納豆を食べないようにしましょう。
監修:斎藤 保健師
掲載日:2007年01月01日