健康予防医療コラム ~循環器~

肥満と血圧の関係

 肥満というだけでは、誰しもが高血圧になるわけではありません。わたしたちの身体は人によって体質が違うように、血圧も違ってきます。

 一般的に肥満になると皮下組織に脂肪がたまり、これらの組織にまで血液を送らなくてはならなくなり、心臓から拍出される血液の量が増えます。その結果として血圧が高くなるのです。また、肥満の人は、食事の量も多いので、自然と塩分も多く摂りやすくなり、血圧が上がるということになります。さらに、血液中のコレステロールや中性脂肪が多くなり、これらが血管壁に蓄積されて動脈硬化を促進し、血圧が高くなります。
 今までやせていた人が太りだしてくると、それに従って血圧も少しずつ高くなってくるといわれています。しかし、ここで重要なことは、太っているとかやせていることは、本来血圧の高さとは、直接的には関係しないということです。肥満の人でも、食事に注意して、運動も定期的に行えば、他の病気のために血圧が高いということがない限り、自然と血圧は低くなります。やせている人でも、毎日の食事量が多く、高カロリーの食事を摂り続け、運動もしなければ血圧は高くなります。
 このように、肥満の人でも血圧が正常であったり、やせていても血圧が高いなどさまざまな人がいます。血圧値は健康のバロメータであり、生活習慣病の予防にはまず、血圧値を正常に保つことです。健康な人も定期的に血圧を測ってみましょう。

監修:斎藤 保健師
掲載日:2006年11月01日

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