健康予防医療コラム ~循環器~
血圧の正しい測り方
腕は心臓の高さ
今や血圧計が安く手に入るようになりました。しかし、血圧測定が正しく行われているかというと全く疑問に思わざるをえない、それが筆者の実感です。病院で測る血圧測定もかなりいい加減なケースが多いようです。
まず、次のような姿勢で測ってみてください。喫煙直後やからだを動かしていた人は、最低5分間、できれば15分ぐらいは安静にしてから測って下さい。始めに、椅子に座って、測定している腕が心臓の高さになるように適当な台で調節し、何回か測定します。正常の人はそれほど変化しませんが、血圧の高い人は、最大血圧、最小血圧ともに一回一回変化し、10mmHgの変化は決して珍しくありません。数回測定して、測定値が大体落ち着いてきたらそれを現在の血圧としてください。
次に、台を調節して腕を肩の高さぐらいまで上げた状態で数回測ります。更に、腕を下にダラリとたれ下げた姿勢で測ります。大方の人は、腕を上げたときのほうが低く、逆に、腕を下げたときに高くなります。その差はかなり大きくて、場合によっては30mmHgになります。これほど違えば、高血圧症と判定される場合もあれば、正常と判定されることだってありうるのです。腕は心臓の高さで測ることになっています。これを守って測らなければ正しい判定ができないのです。
監修:生山 匡 先生
掲載日:2004年09月01日