健康予防医療コラム ~循環器~

4月に血圧が高くなる理由

気候が寒くなると活動量が減る

 一般的に、冬になると血圧が高くなることはよく知られています。暖かい室温から低い室温へと環境温度を低くする、すると血圧が高くなるのは事実ですから、血圧が、冬に高くなるのはうなずけるところ。しかし、気温だけの影響なら、2月頃がもっと低いので、その頃の血圧がもっとも高いはずなのに、実際に、ある健康体力づくり教室参加者を対象にして、年間の血圧の変動を調べてみると、4月の初旬がもっとも高いのです。その理由は何なのでしょうか?
 血圧は、気温、精神状態、運動といったことの影響を受けて、すぐに上がったり下がったりします。と同時に、有酸素運動のようなトレーニングを続けると、高血圧症が改善されます。その理由も今は明らかにされており、大きく分けると3つの理由があります。一つは、トレーニングを続けることによって、安静中の全身を流れる血流量が少なくなること。2つ目は、血液の粘性が下がること。今流の言い方をすると、ネバネバ血がサラサラ血になること。そして3つ目は血管の緊張が緩むことです。
 4月に血圧が高くなる理由、そのすべてを説明しているとは限らないけれど、気候が寒くなると人の日常生活の活動量が減ってくることと関係がありそうです。つまり、運動量が減ってきて、その運動不足の極致が4月にある、といってもよさそうです。

監修:生山 匡 先生
掲載日:2004年04月01日

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