健康予防医療コラム ~糖尿病~

糖尿病と栄養素

インスリン抵抗性に注目!!

 全身の細胞を活性化するブドウ糖は体に欠かせない栄養素で、その量は体内で一定に保たれています。このブドウ糖の代謝がうまくいかなくなり血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなるのが糖尿病です。現在、日本人の糖尿病患者は200万人強とされていますが、潜在的な患者数を含めると700万人を超え、いわゆる予備軍を含めると1200万人を超えるのではと考えられています。やせ型でインスリン自体が不足する糖尿病のほかに、インスリンは分泌されているのにその効力が低下してしまう「インスリン抵抗性」が原因となる糖尿病が増加しているのです。
 インスリン抵抗性が増している場合は、運動が非常に効果的です。運動して筋肉を使うと筋肉への糖のとり込みを促進するGLUT4という物質が増加するため、インスリン抵抗性の改善に直結するのです。また、運動に加え摂取エネルギーを抑えて余分な脂肪を減らすと、必要とするインスリンの絶対量が減少するため、体脂肪の減少も重要なポイントとなります。
 また、消化しにくいレジスタント・スターチや食物繊維は糖の吸収を遅らせるため、インスリン抵抗性が高まっているとき、血糖値の上昇を緩やかにするのに効果的です。

監修:古田 裕子 先生
掲載日:2005年05月15日

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