健康予防医療コラム ~歯の健康~

虫歯チェックは唾液で

 虫歯がある人はとても多いのですが、この原因を見つける方法として、唾液による虫歯菌の検査があります。

 この方法は、虫歯の多い人には特にお勧めですが、味のないガムを5分間噛んでもらい、その間に流れた唾液を容器にためます。唾液を培養・分析して1週間ほどで唾液の量、唾液のPH(酸性度)、乳酸桿菌数、ミュータント菌数、虫歯菌比率などの結果がでます。
 口の中には約400種類の細菌がいて、唾液1ml中には数億個の細菌がいます。ミュータント菌などのいわゆる虫歯菌は、歯の表面にくっついて口の中に入ってきた「砂糖」を栄養にしてネバネバしたデキストリンという物質を作ります。これが歯についている歯垢と混じって酸を出し、歯を溶かして虫歯になっていきます。
 ミュータント菌が多い人は、当然虫歯になりやすいのですが、菌が少なくても虫歯が多い人がいます。原因は、食事の回数やとり方によって糖分が常に口の中にある状態が続いているためと考えられます。また、ミュータント菌数は子どもの頃に決まってしまい、歯を磨くだけでは減らないことがわかっています。つまり、子どもに虫歯ができる原因のほとんどは、親や同居家族からの食べ物の口移しです。大人が食べ物を噛み砕いて子どもに与える行為は、やめたほうがよさそうです。
 また、1年に1回は歯の検診をすることが大切ですが、その時に唾液による虫歯のチェックもすると、歯の手入れはもちろんのこと、自分の食生活を含めた生活習慣も見直すきっかけになるでしょう。

監修:斎藤 保健師
掲載日:2007年03月15日

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